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町家再生の技と知恵

京町家のしくみと改修のてびき

no.197装丁 上野かおる
  • 発 行 学芸出版社
  • 京町家作事組 編著
  • B5変形判・144頁・2730円(本体2600円)
  • 2002/5/30
  • ISBN4-7615-2285-2

■■内容紹介■■
 京町家は、歴史と文化を伝える非常に魅力的な建築です。しかし、それだけにとどまっていては、町家は残してゆけません。町家の持つ、その建築的価値を再確認し、今の科学や基準から評価するのではなく、「伝統工法による都市住宅」としてその本質を捉えるべきです。
 そこで改修するにあたって、京町家の改修における標準仕様をまとめました。著者である京町家作事組の改修ポリシーを簡単に言えば、「もとに戻せない改修方法はとらない」「できるかぎりメンテナンスしやすい方法をとる」ということです。また、改修するのに町家のしくみがわからなければ直せませんので、明治初期ごろの町家を新築する建設過程を追って解説し、その骨組み(躯体構造)を図解しました。
 基本的に職人さんへの聞き書きをもとにまとめております。京町家作事組という市民組織の会員40社弱の各職人さんへの聞き書き(2年にもおよぶディスカッションと編集)をもとに本書はまとめられました。
 市民主体で社会を変えようというこの時代、全国各地でも同じような組織は望まれるはずです。建築関係でもいろいろなNPOが立ち上がっていますが、事業として軌道にのりつつある組織は数少ないものです。京町家作事組は、市民活動(NPO)のひとつの可能性だといえます。

■■著者よりひとこと■■
この本はいろんな意味で「転倒の書」になっています。編集の動機が町家を改修して再生する作事組の活動を始めてしまってから後に、必要に迫られてまとめることになったということをぬきにしても、そもそも工夫を重ねながら、繰り返し修練を積み重ねることでしか会得できない「技と知恵」を文章や図で表そうとすること自体が転倒です。
また内容は既成概念や現行の法制度あるいは基準にとらわれず、町家を率直に見て、こうに違いないというところを有り体にまとめたわけですが、それが結果として、今の作り方や暮らし方あるいは法律・制度・経済・慣習とは逆転したものになっていると言うことです。
この本を作った目的のひとつは作事組の標準仕様書としての活用と町家についてのまちまちな見解の整理のきっかけにしたいと言うことですが、さらに困難で重要な目的は町家が建てられて守っていけるような社会にしたいということです。つまり転倒した状態を起こして真っ直ぐにしたいと言うことです。
この本はもっぱら作り手を対象に編まれていますので住み手の方や一般の方には幾分読みづらいかも知れませんが、町家に関心があり、一定の知識を持っている方なら充分理解していただける筈です。いうならば、そういう方々の先輩である町衆には薬籠中のものでした。
是非ご一読のうえ、ご意見をお寄せいただきたいと思います。またお知り合いの方にもご紹介していただき、一日でも早く世の中が起きあがるようにご協力をお願いします。
梶山秀一郎(作事組理事長)〉
■■詳細情報■■
まえがき
本文内容(見本)
あとがき


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