あげまえ【揚げ前】

 建物の不同沈下を直すために各所の柱を持ち上げること。レベルを保った後で基礎の据え直しや根継ぎを行なう。今日ではジャッキを使う事が多いがかつてはテコで行なわれた。作業時ともりかえ時で油圧とダルマのジャッキを使い分ける。補助材として台版ケンドネコ根がらみなどを用いる。
 床の水平を取った上で必要であれば次に建物の立ちを直す(イガミ突き)。
 連棟の町家や不陸が甚だしいときは、建物全体を揚げずに、一部の柱のレベルを落として水平をとることも出来る。
 京町家の基礎はひとつ石延石も比較的簡易な仕事であり、年間0.6mmの沈下が起こるとされている。むしろ100年後に6センチを簡易に揚げ前できる柔軟な構造になっている。