せんざい【前栽】

 オクの間(座敷)に面する庭をいう。小さな町家では一般的な坪庭。近代以降、茶席のロジニワの模倣が流行した。成長遅めの常緑樹(松、槙、モッコク、樫など)に加え、夏と冬で花が長い樹木(百日紅、椿、山茶花など)が好まれる。縁の手近には宿根の花や小さなもみじが好まれる。手水のほか、鴨川で取れる七石、茶席のある場合は蹲踞、余裕があれば灯籠を配し、イミテーションも含め伽藍石が明治期に流行した。都会の散居といわれる町家のエッセンスである。春と秋に剪定するのが基本だが、鉾町では祇園祭の前に手入れが入る大店も多い。