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'06 楽町楽家 詳細 主なイベント日程 ▼ 報告 コンペ展結果
楽町楽家 ‘06報告

 昨年に続き2回目となる「楽町楽家」は5月13日(土)〜6月20日(火)と5週間に亘る長丁場でしたが、盛況のうち無事に終えることができました。数えられる参加者は延べ2000名を超え、実際にイベントに行かれた方は3000名かそれ以上と思われます。まずは、ご協力いただきました皆様に御礼申し上げます。また、数々の催しにご参加いただきました多くの皆様、どうも有難うございました。

 会場となった町家は、すべて京町家ネットに関連のある家に限定し、しかもお住まいであることを基本としました。楽町楽家のリーフレット地図を見ると、それらが京都市の全域に亘っていることがわかります。
 催し内容は、会場となる町家の特性を生かすように考えたもので、コンサートや作品展、体験会やオープンハウスなど多種多様で、しかも住まいとしての町家の良さを感じてもらえるようにと人々の五感に訴えるものとしました。演奏者の方々は、町家の柔らかな音響やお住まいならではの温もりのある雰囲気、おもてなしの心を感じるしつらえなどに、ホールや会館では味わえない高揚を覚え、熱心な聴衆の方々の想いに応えて素晴らしい演奏をしてくださいました。どのコンサートも定員を超えてのお申込みがあり、8つのコンサートへの参加者合計は約300名となりました。

▼下の写真にマウスを重ねると拡大してご覧いただけます。

 流通途上町家オープンハウスは、売家3軒、貸家3軒の町家を巡るというもので、2日間で約300名の参加があり、町家に住みたいと思っている人や町家がどんな状態で流通しているのかを知りたい人には大変興味深いイベントとなりました。京町家作事組が改修した建田家、北村家、京町家作事組事務局、ならびに田中家のオープンハウスでは、田中家で記名された方だけでも230名となりました。建田家や北村家を訪れた方の中には、もっと早くにお訪ねしていたら、自分の家ももっと良い改修が出来たかもしれないのに・・・、と残念がる方がたくさんいらしたようです。

 手打ち蕎麦体験会やおばんざいレッスン、オリーブオイルのミニ講座と試食会、創作フレンチのお食事会などは、それぞれのお店が得意としている内容を楽町楽家だけの特別価格に設定していただき大変な人気を得ました。
 エチオピアコーヒーセレモニーやマリ茶を楽しむ会では、町家や飲み物を楽しむだけでなく、数十年前の日本もそうであっただろう、家族や隣人など、人と人との温かく優しいつながりを思い出しました。お互いを認め合い信頼し合う関係、何事もお互いさまと許し合う関係は、本来の京町家での暮らし方であり、ご近所とのお付き合いの仕方にも共通したものです。私たちがこれから再び取り戻さなければいけないことが何なのかを改めて考えさせられました。
 聞香、お箏、大船鉾祇園祭囃子見学と体験会などは、いかにも京都の町家にぴったりの催しで、今年は外国人向けの告知もしましたので、京都在住の方や観光客も含めて、いろいろな国の方が参加され喜んでいただきました。
 中古建具市や掘り出し物市は、やはり京町家ネットに関連するお店と多くのお宅のご協力で成り立った催しで、主に志しある若い人たちに安価あるいは無料で良い品物を提供できたことは、提供者側の喜びでもあります。

 昨年は「楽町楽家」がどういう催しなのか不案内の方も多く、また主催する側も試行錯誤の部分があったことも確かです。しかし2回目となる今年は、すでに「楽町楽家」を認知してくださっている方が多く、そういった方々からは大いなるご協力と励ましをいただき、新聞・テレビ・ラジオなどマスメディアの取材者も率先して広報の協力を申し出てくださいました。ポスターやリーフレットのイラスト、それらのデザインレイアウトはプロフェッショナルの方々のご協力をいただき、各催しの案内や受付などはスペースデザインカレッジのスタッフや学生たちが手伝ってくれました。
 「楽町楽家」が町家の良さを体感するだけでなく、京町家ネットに関わる多くの方々の温かさを感じる催しとなってきたことは我々にとって何より嬉しく、来年もまた皆様のより一層のご協力を願う次第です。

(楽町楽家実行委員会)