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その1
 堀 宏道(作事組会員、電気工事)

むかし、松下電工もなかったころは、電気屋が照明器具も作っていたのかな? とか考えながら(本来金物は「鍛冶屋」で作成)。
約1600mmの長さに切り落とした19mmの薄鋼パイプ。
両端にねじを切り(片方は100mmのねじ)、めったに使わなくなった配管工事用のベンダーを久々に使い、曲げてみることにした。
’てこ’の利用で踏ん張った足で押さえ一気に曲げる。

90度用のベンダーで180度曲げるには、道具を頭で使うと同時に腕力も少々必要!
出来上がりの寸法より幾分手前の支点を見当して。実際、これが結構難しい。曲げた後の外寸が全長にしなければならない。それとて別に図面があるわけではない。長年の勘がたよりと言いたいが、実は写真で既に3本目、こうなったら芸術家になった気分で曲げてみる。
設計士からは「唐草をかわす部分ではアールを小さく、グローブソケットまでは大きなアールでまげ、グローブが下に来るようにした方が良い」と指示があった。
ところがどっこい、施主さんから「ここは南側に駐車車両がある場合、新町通りからの左折車がトユをかすめるぐらい通って何度も破損した経験があり、下屋より玉部が道路面に出ない様に」との事。  こりゃしゃーない、デザイン面ではかなり妥協することになった。
さらに、既存のガラスグローブに合うフランジ(取付け金物)を見つける事が、今回最大の問題点ともなり、飴のビンのふたも今後は捨てないでおこうと思った。これは冗談。

そのフランジをパイプとの接続に合わす為、加工して。内側にモーガルソケットを取り付ける、雨が入るのでビス穴は空けたくない、技が要る。
できあがったパイプの中に電線を通して、黒色に塗装。
フランジ上部に防水コーキング加工、これは念のため。
取り付け部分の座は鉄板を溶接して風による振れを止める。(実際ここらの事が製造責任等もあり、メーカーはこのての器具は、よー作らんわけです。)
そして取り付け工事、これはお手のもの。

今回の建物の復元工事の「仕上げの味付け」となったでしょうか?


施主さんの笑顔で再生完了。


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上京区 澤井醤油店にて   
設  計
担  当
監  修
施工担当
   京町家再生研究会
株式会社クカニア
京町家作事組
株式会社山内工務店