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京町家作事組

その2
梁に使われている材木がキラキラ光っているように見えるので、よく見ると、それは「ヤニ」のように思うのですが、このまま放っておいていいのでしょうか?
ヤニ ご指摘の材は松(大正時代以降は米松もある)です。松はたいまつにしたり燃料にしたりするように大変ヤニ(樹液)の多い材料で、それが材の粘り強さの理由でもあって、ヒトミ(梁)、胴差し、ササラ(床梁)、桁や小屋梁などの横(架)材に使われます。
 さてご質問のヤニの処置ですが、あまりに見苦しかったりヤニ壺があってぼたぼた落ちてくるようなことがなければ放っておいていただいても結構です。取り除きたい場合はアルコールで拭いてください。アルコールはベンガラなどの塗料は侵しませんのでヤニだけ取れるはずです。
でも一度は取れてもまた出てくるかも知れません。400年程経った屋久杉の縁板に火を近づけたらボッと火がついたということも聞きます。ヤニが出るのは木が生きている証拠です。

梶山秀一郎(作事組理事長)