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京町家作事組

その5
小さな庭があるのですが、京都の坪庭らしくするのに、植える木の種類や配置、石の置き方などの基本というのはあるのでしょうか。
 きまりというのはありませんが、好まれて使われてきた材料がありますので参考にしてください。四方を囲まれて日照が望めず湿度が高いことが多いので、植物はそれに耐えうるものが用いられています。ツバキ、マキ、カシ、モッコク、竹、シュロチク、アセビ、ナンテン、アオキ、ジンチョウゲ等の常緑樹が主になります。松やモミジ等の落葉樹も多くみられますが、やはり成長の遅いものがよいでしょう。地面には苔を植えたり、平らな部分は砂利を敷きます。

 石は、沓脱石からつくばいまで飛び石が結んでいる形や、もともと縁先にあった手水鉢を生かして景色が作られている例が多くみられます。灯籠もよく据えつけられています。加工したての石よりも、長い時を経て「さびた」あじわいのあるものが好まれます。これらにはもともと実用的な用途があるため、基本に沿って据えるとよいでしょう。詳しくはプロにご相談ください。

木村孝雄(京都景画)