七つかまどのあるトオリニワを生活の中心に ──中京・Sg邸設計・(株)クカニア・内田康博建築研究所/施工・堀内工務店 ◎改修のポイント
現在は新築したハナレを主な生活の場とされているが、将来は二世帯が独立して暮らせるように、主屋にも風呂トイレを設け、トオリニワをダイニングキッチンとし、あわせて構造補修をすることが求められた。 |
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生活の中心となるトオリニワは、南側の開口を広げ、天窓をつけて明るい空間とした。床は土間の雰囲気を残してタイルを低く貼り、床暖房を入れることで寒さに対処した。その真ん中に据わる七つかまどは、全体をガラスのテーブルで覆うことで存在感を増している。 内壁はボードが張られて大壁となっており、見た目は問題ないが、隠れた柱や土壁の状態が不明で、腐朽などの心配があるため出来る限りボードを剥がして真壁に戻すこととした。剥がしてみると雨水の浸入などで土壁が予想以上に傷んでいて、木舞が露出している部分もあり、大壁とすることの害を再認識させられた。 大黒柱と小黒柱に架け渡された胴差に蟻が入り、一部を切断して入れ換えた。胴差の下には柱を入れて支え、上部には梁を追加して補強している。 |
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二階のオクノマと木置きは低く張られていた天井を撤去し、梁を露出して天井を張り上げることで空間を広げた。天井裏の主要な梁には横や下に補強の梁が添えられ、後年の改修の工夫が見える。それに習って、トオリニワの梁の上に束を追加し、縦横に貫を通して補強した。2階オクノマには梁を一本追加している。 |
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内田康博(作事組理事)
2006.11.1 |