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はじめに京町家再生研究会京町家作事組京町家友の会京町家情報センター
清水五条坂 a 邸改修工事見学会
工 事 名  清水五条坂 a邸改修工事
日  時  H15年6月22日(日) 14時〜
施工担当  (有)堀内工務店
 清水寺のふもと、世界的に有名な「清水焼」の産地で、築約100年を超えるの町家の改修が完了し、見学会が開かれました。
 7年ほど、空き家になって、老朽化して行く家を「壊さずに住んでもらえる人に貸したい!」と言う相談が京町家情報センターにあり、「直すのにどのぐらいかかるか見積もってほしい」との依頼が作事組にあり、早速見積りをしました。
改修費用はオーナー側だけでは負担が大きい為、見積り金額を、躯体構造改修費とその他の内部改修工事費に分け、構造に関わる部分をオーナーが負担し、内部改修に関わる部分を借りる側が賃料の一部を先払いという形で負担する、という条件で借主になる人を探したところ、借主が見つかり、改修工事を行うことになりました。
 工事担当者から、補強工事説明から始まり、「揚げ前」工事では、ジャッキが地面に食込むほど、地盤が軟らかく、揚げ前した柱下の束石の下に、更に大きな板石を敷き、支える面積を広くして、束石の下地補強の施しを説明や、イガミ突きは両隣が一部連結している為、動かない柱等は「足元」を移動し、床下で根がらみ補強工事をしたことなどの全般説明を行いました。
 今回4会派の合同見学で、60余名の参加者があり町家への関心の高さを改めて感じました。


 特に近所の方が「(工事中)どないなるんかと、思てたんえ!」と、中に入り、原状修復をみてもっとも驚かれ、「壊さんと、よう残してくれはったわ」と自分の家のように喜ばれ、なんと言っても、aさんの一族が訪れ、生まれ育った家でもあり、また50年ぶりという親戚の方もおられ、老朽化した室内や、朽ちた「塀」等を一番間近で記憶に残っている残像から、予想だにしない原状修復に、感慨深げに柱を摩ったり、また全体を見渡し子供の頃を懐かしんだりと、種々様々の思いが走馬灯の様に駆け巡るのか、見学会が終わっても、代わる代わる写真をとり、別れを惜しむ様をみて工事を行って良かったと思った瞬間です。
 今回、3回に分けて説明を行いましたが、あまりにも多数参加の為、主催者側の不備で細部まで見学してもらう事ができず、ご迷惑をお掛けしました。しかし質問内容に人それぞれに、着眼点や興味の違いがあり、改めて勉強することができました。
 改修や見学会を行う事を通して、1戸から近隣とのかかわりが、自然な形で町に溶け込み
ファサードだけではなしに、心も繋がって居る町並になる事を望んで止みません。

施工担当 作事組 理事 (有)堀内工務店 堀内 健