「エツリ」 と 「木舞掻き」        

大工 築山史典 口から釘を出すことも最近ではめずらしい
 縁に竹と縄が用意されていた。
木舞掻きを大工がやらないのは、大工手間が高いから。かといって専門職人は一人で1日なんと10坪もこなす早業。だから、この6平米程度のモノをたのべば、かえって割高になってしまう。そこで施主k様はご自分でやることにした。「荒木さんちょっと教えてくださいよ」とK様。会長はこの言葉に弱い。
 日曜日だというのに朝の8時
「まずハワイのフラダンスの様に稲縄を腰に巻いてください」と末川氏の説明から始まった。木舞とは巻いて巻いて、踊りを舞う様にと思ってはいたが、それがフラダンスだったとは? そんな話を無視して、荒木会長は早くも巻いている、やってみせる。施主は見て習う。道具は要らない、指で巻くだけ、だから間隔はゆびが入る程度。縦竹は床に当てない、1寸浮かす、巻く。適当に手のひらで叩く、巻く。竹は真と真を合わせる、巻く。縄が余っても切ってゴミにしない、巻く。
荒木会長のあざやかな手技を見てください。これは作事組のゴッドハンドと言うべき、貴重映像。そして結果的には一番高い手によって、巻き終わり。
 こどもの日も近し、柏餅が差し入れられた 。
     あとは酒でも飲んでわーわーやりますか?
            やがて、えんもたけなわと なりました。 の巻

平成24年5月
京都市上京区 

監修 京町家作事組
設計 末川建築設計
施工 アラキ工務店