虫籠窓の修復
むしこまど【虫籠窓】Mushikomado
 厨子2階の窓に設けられた塗りごめの格子。元は細い木格子が虫籠(むしかご)に似るところからつけられた名称で、 お米を蒸す「蒸子」に似ているという説もある。同じものを何個も作る場合、一般に型を作りコピーするが、ここでは視覚感覚だけ同じ幅に仕上げていく。室内側からも同時進行、職人の息も合う。職人といえどカメラを向けると緊張する者も多いが、この名人のコテさばきに変わりはない。「大名行列の殿様を直接見下さないように、この窓が出来た」と、この職人さんが言っていたけど、ほんまかなぁ。すさは割れ止めに、着色として黄土に硬化剤の石灰を混ぜる、のりも適量、これを黄大津という。道路からは室内は見えないが室内から外はよく見える、奉公人はこの2階の厨子にいて道路からの行商の声をいち早く聴くことが出来た。声と音と風と光を通して泥棒は通さず、邪気は鐘馗が通さない。

4分58秒
監修 京町家作事組
設計 内田建築設計 内田康博
左官 さくあん  萩野隆二

平成一九年五月
京都市上京区 

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