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京町家作事組
第60号(2012年9月)

◎8月の報告

10日(日) 理事会
18日(金) 地蔵盆
22日(土) 茶道稽古
24日(水) 理事会

◎9月の予定

8日(土) 構造設計勉強会
14日(金) 理事会
15日(土) 寺社新築工事現場見学会
26日(水) 茶道稽古
28日(金) 理事会
29日(土) 愛宕山お参り
30日(日) 改修工事現場見学会



釜座町地蔵盆
[釜座町地蔵盆]
 8月18日(土)、釜座町でも地蔵盆が催行されました。町家(ちょういえ)へ引越しして以来、作事組も町内の一員として地蔵盆に参加させて頂いています。地蔵盆は子供たちのためのお祭りとお聞きしていますが、今年は子供の参加は2名でした。他にも子供たちはおられるはずですが、それぞれ様々な行事と重なり残念ながら参加できなかったようです。それでも普段お会いすることが少ない町内の皆様と世間話をしながら交流することができる大切な行事となっています。
8月後半のこの時期には市内のあちこちで地蔵盆のなごやかな風景がみられ、隣近所のつながりが薄れていると言われる昨今ですが、町内行事への参加を通じて地域の絆を再確認するひとときとなっていることと思います。
(設計担当理事 内田康博)

[“すまいをトーク”釜座町町家見学]
 8月25日(土)、大阪・兵庫で伝統的な木造住宅について見学や体験を行っている“すまいをトーク”の皆様40名が釜座町町家の見学に来られ、2組に分かれて見学と町家改修のDVD鑑賞を行いました。改修方法に大変興味を持たれ、木部の塗装方法など細部に渡るご質問もあり、熱心に見学していただきました。
(設計担当理事 内田康博)

[茶道お稽古 〜生徒さんの感想〜]


お稽古風景
 町家が改修され、綺麗になりました。お茶の勉強会をしようという話は有りましたが、なかなかその先に進まず今回やっと始まりました。
 お茶の稽古には興味が有り、体験してみたいとは思っていたものの、月謝や最初に用意する道具などの費用がどの位するのだろうとか、正座をしなければならないしとか、いろいろ考えて億劫になりそのままにしていました。今回、釜座茶会に誘われて、正座の心配はあるものの超初心者向けという事で(半ば強制ですが)参加する事にしました。
 お稽古は、 参加者は講師の方も含め全員で10名ほどで、和気あいあいとした雰囲気の中、少しずつ教えて頂き、また最後にお菓子とお茶を頂いて、楽しく過ごしています。正座は短時間しかもたず、ちょくちょく足を崩させてもらっています。8月でやっと3回目でまだまだ知らない事ばかりですが、ここまでのお稽古の感想は、動作・所作・作法などが巧く出来ていて感心しました。また、掛軸の書画や活け花についてはお手上げで自分の無知を痛感しています。お茶の稽古というのは、ただお茶を点てて飲むだけでなく、色々な要素を含んでおり、もっと勉強したいと思いました。
 釜座茶会が今後どれだけ続くのかは分かりませんが、私自身はもう少し続けられたら良いなと思っております。
(釜座町 井上雅晴)

[天橋作事組の来訪見学会]
 作事組全国協議会の会員である「天橋作事組」のメンバーが8月の4日に釜座町家の事務局を見学に訪れました。猛暑の中、約15人の参加者がありました。建物の見学、ワールド・モニュメント財団の援助で作成したDVDの鑑賞をしていただき、意見交換を行いました。
 意見交換は専門家同士、実務に即した内容となりました。京都で町家の再生がそれなりに広まった経緯に興味を持たれ、改修工事の実現までに相談者とどのようなやりとりをするのか質問がありました。町家改修で相談者の懸案は、予算、構造の安全安心、空き家の利活用の可能性、工事の出来上がりのイメージ、等です。町家の存続を前提とする限り、改修にははっきりと優先順位があること、工事費は客観的に積み上げられること、構造改修には様々な判断がある中で中途半端が一番良くないこと、実務者の話より先行事例の見学やクライアントから新しいクライアントへ伝える話が一番の説得力で、それが再生を地道に広げていく実感をお伝えしました。
 改修のデザインの手法にも関心を持たれ、伝統的な建物の中である程度現代的なしつらえを実現するテクニックについて質問がありました。実際の京町家の改修ではハシリを土間に戻す改修もあれば、東京炊事に持ち上げる(ハシリの床を上げる)改修も半々にあります。要はいつでも元に戻せる担保が大切で、当事者性のないうわべの原理主義は現場ではさほど意味を持ちません。下地から編む土壁や造作のムク材の仕事、紙や油など本物の材料を合わせていく事が大切で、新建材や貼物が入るとたちまち収集がつかなくなる実感を重ねて伝えました。
 「中途半端はやっぱりやめよう」とは参加者同士で交わされたお言葉でしたが、作事組や京都での町家改修の今までが、その点さほど大口を叩けるものではないでしょう。来訪の先導役を果たした棟梁塾二期生の井澤君、設計実務3年目の修業中ですが特殊建築物を含め確認申請は7本終え、お寺の改修の現場監理も務め、腕を上げている様子、心強く感じた次第です。
(設計担当理事 末川協)

工事実績: 184件
相談件数: 482件
('99年〜'12年8月31日現在累計)