◎3月の報告
◎4月の予定
[『多聞会「アートと考古学」』『町家 庶民の美意識』] 早春の暖かい日差しが射す3月21日(月)に、場所は建仁寺山内の両足院にて開催されました『多聞会「アートと考古学」』のシリーズ第6回 「町家対談 庶民の美意識」を聴講させていただきました。講師は京町家作事組の理事長の木下龍一さんと、京都文化博物館学芸員の村野正景さんのお2人で、個別にお話をいただいてから、聴講者も交えた意見交換・質問時間をいただきました。 まず木下さんが京町家のおいたちと実際の改修工事の実例をご紹介され、そのうえで今後の課題や京町家に期待される文化遺産としての役割についてお話しされました。平安京の都市計画において整備された京都市域の中心部で、貴族等の特権階級に割譲されていた都市区画が、時代の変遷と特権階級の権力衰退に伴い徐々に解体・分割され、庶民の生活空間として発展した経緯を洛中洛外図等の史料を交えてご解説いただくと、平安時代から近世頃までの京都を鳥瞰するようでした。 続けて村野さんが、考古学の専門家として世界各国で参加された発掘調査や史跡の改修工事等の実例をもとに、世界の様々な文化遺産保護の取り組みやアイデアをご紹介されました。エルサルバドルの史跡が崩壊した際の再建工事や、中国の古代建築の全容を探る遺跡発掘のお話、イギリスのバース(bathの語源とのこと!)で現況保存されている古い街並みのご紹介等、沢山の写真を交えお話しいただきました。その上で日本、そして京都の歴史的建造物の保存・指定について、現状で漏れてしまっているがしかし歴史的であると認められる建築物等に言及されました。街並みを形成し、当地の文化をも体現する京町家をはじめとした建物を、府や市のレベルから拾い出し指定することで、保存に向けた取り組みの一助は大きく担えるとのお話でした。 今回の講談「多聞会」は、世界考古学会議第8回京都大会(WAC8)のプレイベントとして開催されました。趣豊かな両足院内でお庭や茶室を横目にお話をお聞きして、文化的趣をただ賛美するだけではなく、積極的にそれを学び関わろうとする姿勢が、京町家のこれからを守るために必要なのではと感じました。 作事組理事 光本大助・光本のり子
[上越市城北中学校から見学者来訪] 新潟県上越市城北中学校から、まちづくりを学ぶ6名の生徒さんが来訪、京町家の修繕の痕をつぶさに見て地域性に対する感受性を養うとともに、京都の町家の活用方法や宣伝手法を参考にして、高田の雁木づくりのまちなみを全国にPRするイベントを企画したり、町家の戸数調査や補助金制度など上越であまり発展していない方策を上越の風土にあわせて市に提案するなどのアイデアを持ち帰っていただけたようです。 作事組事務局 森珠恵
[出石まちづくり関係者来訪]
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