◎5月の報告
◎6月の予定
[伝統木造技術文化遺産準備会 第1期2015年度通常総会] 2015年3月に「伝統構法をユネスコ無形文化遺産に!」という呼びかけに応じて加入した同団体の第1期2015年度総会が、5月27日に池坊短期大学洗心館で開催された。議案については、2015年度決算、活動報告、次年度予算案等が可決された。活動内容は、伝建地区見学や一般の方を交えた木や土などの『ふれあい系』イベント、著名人の講演等であった。一般人の署名を集め、文化庁に文化遺産の登録要請を目指すとのことだが、伝統構法の技術的な内容を確かめる話はなかった。なので思い切って質疑した。 今回の通常総会の名称が『伝統木造技術文化遺産準備会』となっているが、サブタイトルが『伝統構法をユネスコ無形文化遺産に!』となっている。『技術』を文化遺産にと言うお話なら、わからなくはないが、『構法』ということなら話は別に思われる。何をもって伝統構法とされるおつもりか、建築基準法により可能な、なんちゃって伝統構法を含むとするならば危険である。構造規程、防火規程、その他もろもろにより造られた建物は伝統構法ではないし、現に京都で伝統構法の京町家は新築できない。その部分をよく議論せずにとにかく『伝統構法を文化遺産に』と進んでしまえば、悪く言えば役人にお墨付きを与えてしまいかねない。なので、この会で、何をもって伝統構法とし、文化遺産を目指すかをよく議論してから、進めてほしいと思いますが、どのようにお考えでしょうか。 以下回答。タイトルが当初の『伝統構法を〜』から『伝統木造技術〜』に変わったのは、文化遺産の登録を目指すには、より一般の方への周知、認知度が必要であり、文化庁からも世界に発信するには、もっとわかりやすい必要がある、とあったから。なので、技術的な議論も必要ではあるが、まずは署名活動等、一般の方たちに広く周知する必要があるため、タイトルを変更し、シンポジウム、見学会等の活動を進めています。 ただし、質問の通り、伝統構法についての議論も初回のキックオフフォーラムの際に議論があったので、どのような形で伝統構法の文化遺産登録を目指すかは慎重に考えて行きます、と大体このような感じでした。 作事組設計担当 井澤弘隆
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