◎7月の報告
◎8月の予定
[緊急報告会「熊本地震の被害状況とこれからの備え」に出席して] 7月22日(金)午後7時より、(公財)京都市景観・まちづくりセンターにて、標記の報告会が開催されました。講師は京都大学工学研究科で主に伝統木造建築の構造を研究されている林康裕教授と、京都市都市計画局で構造担当課長を務められる伊藤真嗣氏のおふた方でした。両氏とも熊本地震の後に現地調査に臨まれ、現地の状況について詳細にご報告をいただきました。 林教授からは、熊本地震の特徴として、10日間程で200回以上と余震が極めて大きな地震であったこと、パルス周期が1秒と3秒の2つあり、低層と高層の建物双方に大きな被害を与えたこと、地動変異が2mを超え、超高層、免振、伝統木造への影響が懸念されることなどについて、観測データと現地で確認された被害の状況を踏まえ、詳細にご説明いただきました。また、その結果から京都での備えについてお話しいただき、京町家の耐震補強として耐力を増加することが柱の折損、梁の抜け落ちなど、逆に被害を増加する可能性があること、伝統工法の特徴である変形性能を向上させること及び維持管理・補修が大切であることなどこれまでの研究成果に新たなデータを加え、改めて強調されました。京町家の改修方針については、作事組での考え方と一致するところが多いと思われました。 伊藤課長からは、現地での応急危険度判定業務の体験報告をいただき、水・食料・宿泊場所などが不十分な中での業務の状況について実体験をもとにお話しいただきました。 熊本での地震は、内閣府の中央防災会議などでは東海、東南海・南海、及び首都直下での地震の懸念が強調されていますが、それ以外でもいつ地震が起こるかわからないこと、これまでの想定を超える地震もあり得ることなどを示しているようです。 交通網も機能不全のなか、被災地域での実地調査を行い、詳細な報告をいただいたお二方に、感謝を申し上げます。 作事組設計担当 内田康博
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