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京町家作事組
第115号(2017年5月6月)

◎4月の報告

14日(金) 理事会
15日(日) 四条町大船鉾会所 完成披露
17日(月) 京町家専門講座「四条町大船鉾会所 竣工見学会」
28日(金) 理事会
30日(日) 平成29年度定時総会

◎5月の報告

12日(金) 理事会
23日(火) ファーマン大学建築科学生見学者来訪
24日(水) 京都市立西京中学校校外学習 見学者来訪
26日(金) 理事会
27日(土)
28日(日)
掘り出し物市
29日(月) 役員会

◎6月の報告

9日(金) 京都造形芸術大学環境デザイン学科 町家実測実習
9日(金) 理事会
23日(金) 理事会
25日(日) 釜座町町家の大掃除


四条町大船鉾会所
[四条町大船鉾会所完成]
 2017年の祇園祭供用を目指して始まった四条町大船鉾会所の改修工事が4月のはじめに完了し、四条町大船鉾保存会主催の完成披露会と京都市まちづくりセンター主催の竣工見学会がおこなわれました。同保存会、ワールドモニュメントファンド、京都市、京町家再生研究会、作事組の協力体制を軸に、ワークショップで子供達が改修過程に参加したり、周辺環境の激変に伴い今年4月に解体された平楽寺書店、井上氏から建具等を提供いただき塗りなおし再利用したり... すでにはや7月、奥に収蔵庫をそなえた町家の会所がお祭りを迎えます。
 
[掘り出し物市]
 5月27日(土)28日(日)は釜座町町家で掘り出し物市を開催しました。 作事組のお施主様や京町家ネット関係者の皆様から、たくさんのお品を提供していただきました。おかげさまで多くの方にご来場いただき、現在、京町家再生研究会が設計監理を担当している嵯峨清凉寺狂言堂の修復工事に寄付をすることができました。また、亀岡のお施主様から提供していただいた大木の幹そのままの迫力をいかした火鉢と立派な白木の水屋や着物類は、嵯峨大念佛狂言保存会の皆様に活用していただけることになりました。狂言堂の修復工事はこれから長い期間を要しますが、ぜひ竣工を楽しみに見守っていただければと思います。 こころよくご協力いただき誠にありがとうございました。
 

掘り出し物市



新条例制定に向けてのシンポジウム(16/6/4)
[京都市条例「京都市京町家の保全及び継承に関する条例(仮称)」
骨子(案)に関する意見募集]

 京都市都市計画局まち再生・創造推進室(京都市役所北庁舎5階)にて
7月2日の 日曜日まで市民の意見を募集しています。
 京町家通信112号2ページ目にありますように、町家が壊されてきた高度経済成長期の社会構造や価値観とはすでに大きく異なり、長寿の木造住宅への関心が高まっています。町家を手放そうとする人が、町家を大切に使いたいと希望する人に町家を譲る、市民の多くがその選択を望んでいます。現在のところ、担当課はごく少人数で業務を行っておられて、条例の運用体制を懸念する声が聞かれます。町家にそなわった価値が意識化され、新たな層に深く浸透し、多くの人を動かす力となるよう願って、新条例にできるだけ多くの知恵が盛り込まれ、施行の日を迎えられるよう、懸念されることがありましたら、ご意見をお伝えください。
 
[平成29年度定時総会]
 4月30日(日)午前11時からOMOYA東洞院店の二階広間にて作事組定時総会が開催されました。OMOYA東洞院店は、町家を研究しその魅力を活かそうとする様々な人の力があわさって、平成12年に現在のお店として再生されました。昨年ふたたびオーナー様から作事組に古い設備配管等入替のご相談をいただいたご縁で、今回総会の会場にお借りしました。お向かいの御射山公園は4月も終わりに近づくころまで八重の桜が綺麗に咲いていますが、この日は早くも初夏到来というべき日和で、町家の中庭に面した窓辺に陽だまりができておりました。
 会場のなかを動いて、配置を考えたりしているなかで、シンプルな導線と視線への配慮が伝わってきました。洗練された空間構成に土壁の下地が露なインスタレーションもあり、和様の工夫が凝らされた独特のお料理が楽しめるよい場所です。襖の傷みなども早く修理できるとよいのですが、お店はお忙しいようです。

 総会議事は例年どおり、前年度の重点事業と活動内容を振り返り、次年度の活動計画案が可決されました。重点事業は五つありました。
 一、町家本来の価値を尊重し、伝統工法で改修を積み重ねていく枠組みの強化、具体的には設計図面のピアレヴューと構造改修見学会の実施が定着し、作事組のアイデンティティの実質を損なわないための組織力強化を行ったこと。
 二、京町家ネット各会の連携の強化、価値観を共有する努力により、複数の協働案件を進め、総合的な対応力を発揮できたこと。
 三、全社での課題共有を運営委員会でおこなったこと。
 四、京都市の担当課に三条適応除外条例の動静を聴き、京都という土地柄、生活文化、町家という建物の理解にもとづく的確な保全改修工事が、現代の耐震基準や防火性能においても正当と認められる素地を回復していくための法的な考え方を確認したこと。
 五、作事組全国協議会や世界考古学会WAC8など、景観と文化環境保全を目指す国内外の諸団体と交流をはかったこと。

 毎年同じことを継続し、同じことを発信しているようではありますが、一軒一軒の町家は異なり、暮らし方や生業が変わっています。使う人にあわせて町家を変えることもありますが、そのうちに人が町家に馴染んでくるほうが、人と自然と社会環境に面白い変化が起こると想像しています。組織も年をとり、変化しながら継続を試みています。1999年の設立以前から作事組が担うべき活動を支えてきた重鎮が理事を退任されました。長年のご功労に敬意を表し、祝福と感謝の心をこめて花束を贈りました。新しい理事が着任し、建築の専門家も一般の方々も町家への理解と愛着を更に深めていただけるような企画を考えております。今後ともご協力をお願い申し上げます。
 
京町家作事組事務局 森珠恵


定時総会

花束贈呈

工事実績: 242件
相談件数: 644件
('99年〜'17年5月31日現在累計)

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