◎9月の報告
[ 京都・アメリカ 大学コンソーシアム 見学者来訪 ]
[ 立命館大学JICA研修 ]
[ 銅駝美術工芸高校 見学者来訪 ] 今年も銅駝美術工芸高校の1年生が『総合的な学習の時間』で「京都の街並に見る京の美」をテーマに選んだ生徒さん4名が釜座町町家を見学に来られました。現在の京都の街並はどのように京都の美意識とつながっているのか、それらがどのような市民の皆さんの協力により成り立っているのかということを明らかにするため次のような質問をもってこられました。 Q1. 町家の街並はなぜ美しいのか A1. 現在の京都の街並の基礎には、通風や採光という自然の恩恵を分かち合って暮らすための町割りがあり、それは隣や向かいにそこそこに美しく見える町家がある前提でつくられ、個即全という設計思想に貫かれています。互いに喧嘩しない、密集して町に暮らすときの知恵や工夫が町家のつくりにも表れています。 京都の各町には、様々な問題にあたる対処が事細かに書かれた町議録が残っています。現在も町なかには様々な寄合があって、合議で色々な事に当たっています。 Q2. 現代建築とは違う町家の様々な使い道について A1. 大森貝塚を発見したウィリアム・シルヴェスター・モースが明治のころから、日本の民家と日本人の暮らしを調査した記録が残っています。清潔な家で子供たちが笑って暮らしている様子などが書かれていますが、町家はその頃から今に伝わり、海外からの関心も高く、ゲストハウスなどへの転用が進んでいます。京都の町はそれ以前から専門・分業制が発達して町家の6割が職住一致の家だった。いまも東山のあじき路地や西陣の三上家路地など、アトリエとショップと住居を兼ねた創作活動の場になっているところもあります。 Q3.西陣に住んでいて路地裏など、治安面で不安を感じることがありますが対策はありますか。 治安については空家対策に力を入れることがまず第一です。新しい住み手と大家さんのマッチングを強化する取り組みは続き、民間と行政が協力して行われるようになってきています。 防災面での取り組みとしては袋小路に逃げ場を作ること、袋小路を奥にも抜けられるようにする対策が京都市でいま進められています。実際、くぐり路地の天井の老朽化がよく目につきます。六原学区などではそうした面での対策に力をいれているようです。 京町家体験講座第8回セミナー開催のお知らせ 11/18(日)10:00から釜座町町家にて、町家の改修費用や耐用年数についてのセミナーを実施します。講師は末川協設計担当理事です。 ウェブサイトのイベント情報をご覧ください。 台風21号から2か月がたちました。瓦、板金等の職方さん達はできるだけ早く修繕が行き届くよう、安全に気を付けながら日々励んでいます。応急処置のあと、本修理を辛抱強くお待ちの皆様もいま暫く凌いでいただきますようお願い致します。 (京町家作事組事務局 森珠恵) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
京都市都市計画局主催:宿泊施設SOWAKA完成見学会 設計:魚谷繁礼建築研究所 京都市条例・建築基準法の適用除外規定を活用 大正後期〜昭和初期に建築された旧料亭を宿泊施設に転用した大型町家の用途変更事例土壁の意匠を残す |
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作事組活動実績 ■ 工事実績: 251件 ■ 相談件数: 663件 ('99年〜'18年10月31日現在累計)) |