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京町家作事組



◎第二期京町家棟梁塾たより 4

  8月の棟梁塾では、「町家再生の技と知恵」をテキストに、梶山理事長から京町家の改修実践マニュアルの調査から設計までを座学で学びました。
  実習では、作事組板金担当会員の橋爪氏と一期塾生OBの林田氏を講師に迎え、塾生が板金加工に取り組みました。酷暑の中、西陣の浄福寺通りのストロベリーセブンの加工場に出向き、板金工事の材料や道具の基本、今日的な材料のことを学んだ上で、それぞれの塾生がオリジナルの板金作品制作を行いました。バケツ、線香立て、チリトリ、小物入れetc.良い経験になったと願います。
京町家棟梁塾たより4   2回目の座学では瓦担当会員の光本氏を講師に招き、瓦博士にもたらされた瓦の歴史と元興寺に見られるその実物、実際の町家での改修工事の様子、世界一の水仕舞いである桟瓦に込められたたくさんの工夫、瓦を窯で焼く取組みや性能を度外視してるようなその人気、文化財修復や宮内庁工事の伝統構法のお役所仕事の難しさ、今日も使われる瓦の作量表の見方と単価の工事費までの関係などなど、たくさんの映像と愉快なエピソード満載で伺いました。昨今の桟瓦の性能的な向上には、目を見張るものがあり、このままでは、瓦の改修工事は向こう数十年とだえるのではないかという、うれしいような困ったような展望も語られました。ここにも町家の新築に向けた課題が見出されます。


 
(末川 協)