◎第四期京町家棟梁塾たより9
座学ではまず茶道の始まりから歴史を辿っていく、講師である松井氏のユーモアを交えた話に塾生がのめり込む様子が良くわかる。茶室に置ける躙口や床の間などの位置関係を水屋から導き、又畳の敷方、炉を切る位置などを一通り説明して頂いた上で、襖を開ける所から席に着くまでの一連の所作を体験してみる。初めてする者はぎこちないものであるが普段の姿勢がみてとれる、とも言う。松井氏曰く茶室における位置関係や水屋などの寸法などはやってみると自ずと見えてくるものだそうだ。 後日いよいよ実践である。緊張した顔の塾生達、我々も笑ってはいられない。全体の流れとポイントとなる所作を説明して頂き、二組に別れいよいよ開始である。ぎこちない動きで襖の向こうの世界に入って往く塾生、席に着きお茶を頂くのだが味も解からず脚のしびれだけが気になり、ひたすら永く感じられる。ただこの静寂な空間は外の世界とは時の流れが違うかのようである。日常では味わえないひと時であった。 これを機に茶道の門を叩く者もいるかもしれない、少なくとも最低限の作法は身に付けておくべきである。 (施工担当理事 辻勇治)
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