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京町家作事組
シリーズ「作事組の仕事」・その16

理事会

内田 康博(作事組事務局)

 作事組の活動は、月2回、第2、第4金曜日の午後7時から事務局にて開催される理事会での理事全員の話し合いに従って進められます。今回は、理事会で話し合われている内容についてご紹介します。

○議事録の確認
 理事会は理事16名の出欠の確認から始まります。皆さん多忙のなか時間を割いて話し合いに参加頂いています。
 前回の議事録の確認の後、新規の改修相談が説明され、どのように進めるべきか議論しながら設計、施工の担当者を決めます。相談者に担当者をご紹介するまでは事務局が仲立ちしますが、その後は担当者が相談・調査・提案・概算見積りを進めることになります。

○活動状況の確認
 相談や工事が進行中のすべての案件について進捗状況の報告が行われ、相談や改修の進め方について議論が交わされます。町家を町家らしく、住みやすく長持ちさせるためにはどのように改修すべきか、まとめ役の設計者や大工職だけでなく、左官、瓦など各職も同じ立場で議論を交わし、よりよい改修を模索する切磋琢磨の場でもあります。
 改修が完了した時点で直接の担当以外の設計・施工担当理事による完了検査が行われますが、その指摘事項と手直しの結果が報告されます。一年検査についても同様に報告され、見落としがちな不具合などを共有し、改修作法の向上に努めています。

○見学会
 改修工事中や完了後の見学会について話し合います。お施主さんの御了解の確認、京町家ネットの他のグループへも参加を呼びかけ、日程を調整し、案内を出します。

○会計報告
 会計担当理事から毎月会計報告が行われます。昨年から有限責任中間法人、一般社団法人へと組織がえし、活動の巾を広げることを模索しています。

○流通委員会
 流通委員会を設け、現代では手に入りにくくなった資材の流通をはかるため、産地に視察に出かけることもありますが、ここしばらくは実施出来ていません。
町家を守り、建てられるようにする市民の会合
 「町家を守り、建てられるようにする市民の会合」の事務局が作事組事務局に置かれています。準備会と本会合を経て、要請書を市長へ手渡す段取りを模索する段階まで進んでいます。

○作事組全国協議会
 「作事組全国協議会」の事務局も作事組事務局に置かれています。2/21、22に開催される設立総会をひかえ、町家再生の実務にかかわる全国の団体と連絡をとりながら当日の話し合いの内容、会場設定、スタッフ配置などの詳細が話し合われます。

○ホームページ
 京町家ネットのホームページはネット4会の委員から構成されるホームページ委員会で運営されていますが、そこに随時アップされる作事組関係の記事について議論します。
 隔月発行の京町家通信の作事組担当の2ページについて話し合い、旬の物件や話題を探して執筆担当者を決めます。

○京町家棟梁塾
 京町家棟梁塾は第U期が進行中ですが、座学や実習の報告や予定、町家に直接触れる特別実習のプログラムなどを相談します。

○改修事例集
 改修事例集の作成はしばらく作業が中断していましたが、新たな形式で作業を再開しています。より見やすく、扱いやすい形や取り上げる物件について話し合います。

○パートナーグループの活動
 京町家ネットは各々独立する4会で構成されていますが、各会の活動が報告され、積極的な連携を進めています。ネット合同新年会には理事が参加し、年に一度のまとまった顔合わせとなります。
 京都市景観・まちづくりセンターとの協働、京都の町家再生に係わる他の団体との連携、京都市、京都府、国の動きなどもその都度報告され、関わり方について議論します。

○その他
 その他、作事組に改修相談を頂いた方々、会員、棟梁塾生など関係者に配布している「作事組だより」について、町家の防火を呼びかけるチラシの作成について、(社)日本建築士会連合会から依頼のあった調査について、他団体からの見学の依頼や講師派遣の依頼について、マスコミ関係者からの取材や出演の依頼についてなど、話しあわれる内容は毎回多岐に渡ります。議論が白熱すると夜10時近くまでかかることもあります。このような理事会を経て、作事組の運営方針が決まり、それに従って理事と会員、事務局が共同して作事組を運営しています。

○新事務局員の自己紹介
 新年1月より作事組事務局員となりました細谷悦史と申します。私の実家も築80年を経過しており、昨年改修を行いました。天井や柱は現状のまま(根継ぎなどはしておりますが)、これからも住み続けられる新しい家として生まれ変わりました。町中にはまだまだ住み続けられる家が多く取り壊されている現場を目の当たりにします。より多くの住み続けられる家のサポートを行っていけるように自分も成長していきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
 
〈細谷悦史(作事組事務局)

(2009.3.1)