報告

　会場としてご協力いただいた町家は今年４０軒を超えました。そして、会期中すでに来年の新たな参加お申し出が４軒ありました。毎年会場数が増える、このことこそ「楽町楽家」が皆様に支持されている確かな証しではないかと考えております。
　催し内容は、恒例となった各種コンサートや作品展、体験会やレクチャー、オープンハウス、昨年から始めた「ひらめい展」などですが、すでに今までに「楽町楽家」でお世話になった方々は「今年は何をやれば皆さんが喜んでくださるだろう」というお考えの下に企画を出してくださり、今年新しくお仲間になっていただいた方は「楽町楽家の意義を伝えるために、自分は何をすれば協力できるのだろう」と熱心に考えて行動してくださいました。皆様のそのような真摯な姿勢が、お客様をお迎えするにあたり、町家本来の居心地の良さと相まって、「楽町楽家」特有の温かでなごやかな素晴らしい雰囲気を作り出すことができたのだと思います。このことは、単に「京都」や「町家」というイメージだけの表面的な「おもてなし」とは全く異なるところであり、また、お客様の満足度を度外視して動員数の多さだけで満足しているような催しとも別なものであると自負しています。

　また、京町家情報センターと登録不動産業者さんによる「住みたい町家を探しに行こう！」、京町家作事組の事務局とメンバーの協力による「改修町家見学会」や「ミニレクチャー」、京町家再生研究会によるシンポジウム、京町家友の会会員さんのご協力による「掘り出し物市」や「中古建具市」、スペースデザインカレッジ学生の「町家改修コンペ展」など、京町家ネットを形成する組織の、その役割に即した催しが多くの方に普遍的な支持を受けているのも大変嬉しいことです。
　今年の「楽町楽家」は、新たなお仲間のご協力とご活躍で大きな成果を生みました。「楽町楽家」をきっかけに何か新たな試みをしてみようと勇気を出された方がたくさんおられたのです。私たちはほんの少し背中を押しただけですが、その方が本来持っていらっしゃる大きな力を発揮されたり、あるいは想像以上の反響に驚かれたり・・・。
最後になりましたが、５月２５日「二胡コンサート」入場料全額と会場での募金は日本赤十字社を通じ中国四川大地震被災者の方への寄付といたしましたことご報告いたします。
５年目の来年もまた実りの多い「楽町楽家」となりますよう、皆様のより一層のご協力をお願い申し上げます。