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京町家作事組



◎第三期京町家棟梁塾たより 8



座学15 梶山講師
 1 2 月1 日の座学ではテキストに沿って「京町家改修マニュアル・仕上編」の講義が梶山理事長からありました。現代建築設計との対比で京町家の仕上が語られました。5年で丁番を取り替えねばならない建具、蹴飛ばしても壊れない建具とは違い、日本の建具は普通に使えば1 0 0 年持ち、また直しやすいように作られています。京町家に暮らしている人には普通のことで笑えます。真壁の土壁は、今の住新築での瑕疵担保保険に該当しないそう、工業製品化された建材と違うことは自明のようです。採暖とは違い暖房(ルームヒーティング)は町家の 建てられていた時代にはない概念、伝統建築の家丸ごと暖かくしたいと求めることは入り口から無理があります。


実習8 板金 橋爪講師 
 1 2 日は板金の実習で、作事組板金担当橋爪親方の講義です。無駄のない材料の割付寸法、工場で出来る加工と現場でしなければならない加工の使い分け、それにともなう道具の使い分け、ハマグリの谷など特殊な役物のむつかしさと職人による手間の違い、下地材つくりの手間と工業製品での単価のこと、流れの向きに応じたルーフィングのタッカーの向きやピッチ、樋の径を決める雨量計算方法、樋の雨仕舞と今日的なデザインの流行との問題、屋根の仕上げ材の改修の際に樋の高さを同時に考える必要、京アンコウの作り方とそのヴァリエーション、それぞれの屋根の形状に応じて、無駄なく手入れしやすく納める方法を現場で判断する基準について話されました。あわせて恒例のご近所の浄福寺通りの屋根や樋の施工例を見学して廻りました。3 回目となっても、また新しい見地から話をお聞かせいただきました。前期の塾生が楽しんだ板金の作品つくりは次回機会に持ちこされ ます。兵庫の龍野で伝統建築の再生に取り組まれる長坂氏の見学もありました。


座学16 末川講師
 1 5 日の座学では京町家の構造について末川より話をしました。この5 年間の現場の実務で考え得ること、棟梁塾で荒木塾長から聞き及んだことなどを再構成して話しました。町家の構造について、疑問があればこれからも正面から考えること、意見交換を求めました。