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京町家作事組



◎第三期京町家棟梁塾たより 18


 12月の棟梁塾はお茶室の集中講義です。
12月7日 座学
12月7日 座学
 7日の座学では荒木塾長より、茶室にまつわるあらゆる用語の説明、開口部の種類や数など、その規模に応じた決まりごと、基本的な寸法の決め方、内外装の仕上の組み合わせとヴァリエーションについて解説がありました。仕事の手順も細部まで詳しく説明されました。これまた超特急のお話で、慣れない言葉に戸惑いながらも、聞いているだけで茶室の設計や施工が出来るような気がしてくるから不思議です。ご自身で書かれた3通りの茶室の設計の詳細に加え、仕口や土壁の下地まで書き込まれた矩計では、町家とは異なる構造の軸組が良くわかります。なぜ茶室に足固めがいるのかもです。10分の1スケールの模型を上から、下から、斜めから、見せていただきました。

12月11日 茶室見学
12月11日 茶室見学
 11日の実習では、実際のお茶室の見学会を行いました。荒木塾長がたずさわる二つのお茶室を訪ねました。午前中は、修学院にある関西セミナーハウスの清心庵で、施設の先生も立ち会ってくださり、実際の手入れの苦労やサルが遊びに来る様子、モリアオガエルの産卵など、四季折々のお茶室の様子も聞く事が出来ました。「どうせ、わからんのなら、『結構なお手前でした』と言わずに『おいしいです』とだけいうほうがいいの」。叱られたような、安心させてもらったような次第です。午後からは山科のTm邸の茶室に伺いました。施主の奥様も塾長の解説に聞き入られました。床の天井の納まりが屋根の形に折り上げで表れ、ユニークな正面を持つ茶室です。

12月21日 座学
12月21日 座学
 21日の座学では、更に茶室の工事の内訳書の解説、新築の場合での単価と手間を教わりました。ここでも項目ごとに詳細の施工の話になります。経費には、お渡しする「扁額」も含めなくてはなりません。「茶室」と「数奇屋」の基本的な材料、仕上の違いの解説もありました。普段あいまいに全体の印象で捉えている建物が、これまた明快になります。2月には実際の茶の湯とお茶会を学ぶ授業に向かいます。春の古寺見学に備え、堂宮のディティールの詳細のさわりの講義もありました。
 1月の棟梁塾はお休みですが、棟梁塾生諸子におかれましては、冬休みの宿題を忘れないよう、念押しする次第です。

(塾頭 末川協)