• 京町家net ホーム
  • サイトマップ
  • アクセス・お問い合わせ
京町家作事組



◎第三期京町家棟梁塾たより 19


 2月になり棟梁塾も再開、残り二ヶ月を残すのみとなりました。
12月7日 座学
お茶会実習 蹲の作法を教わります
12月7日 座学
炭点前を拝見
12月7日 座学
緊張の面持ちで頂きます
 1日には京町家情報センターの事務局長でもある松井薫氏にお茶についての講義を頂きました。なぜお茶を「一服」というのか、お茶の歴史から話は始まり、薄茶と「練る」濃茶などその種類、茶事の流れまでが前半です。手間を惜しまずもてなすこと、美に対する感性を磨くこと、身体の動かし方を覚えること、道具、軸、お菓子、花を知ること、「お茶」にはさまざまな入り口があり、茶碗の中にある「緑と水と時間」、「序破急残心」、「円相」、「一座建立」など、その理解のためのキーワードについてもお話をいただきました。わからんなりに礼を尽くす気持ちを見せることが、初心者の塾生にも伝わったかと思います。後半は、正座の仕方、真行草のお辞儀の使い分け、襖の開け閉め、にじって入る入り方、立ち方歩き方まで、お茶会の実習に向けたお行儀を教わりました。

 果たして5日には、お茶会が開かれ、松井先生にお茶を点てていただきました。今回は新しい釜座の町家で、実際の炉を使っての実習。手あぶりを風炉に見立てていた過去のお稽古とはがらりと雰囲気が変わりました。荒木塾長が淡々齋の箱書きのある認得齋の軸「平生心是道」を飾り、清右衛門の釜を一週間手入れして持参くださりました。二組に分かれて実際にお茶を頂きながら、本物のお道具にも触れる事が出来ました。せっかく身近に炉があるのですから、普段からお茶が頂ければという贅沢な声もありました。今までの棟梁塾でも一番印象深かった実習に上がることの多いお茶会です。

12月21日 座学
座学 堂宮について
 15日の座学では、塾長より堂宮の解説、百数十の専門用語がマシンガンのように解説されました。棟梁塾のここらの「特論」では、予習と復習は不可欠です。古建築の細部意匠の名前を知るだけでなく、また一般的な木割を教わることではなく、その仕事の仕方、組み方を教われるところが棟梁塾の講義のミソです。木組みまで正確に作られた1/10の鐘楼の模型と手描きの矩計で、用語の実物が確認できますし、800万円と1300万円の普請の違いもリアルに教わることが出来ます。来月の奈良見学では、本物の意匠に触れることが出来ます。2年間の棟梁塾も最後の1ヶ月に向かいます。

(塾頭 末川協)