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京町家作事組



◎第三期京町家棟梁塾たより 20


 第三期棟梁塾も、3月で最後の月を迎えました。
3月7日 習熟階梯の確認と自己評価
3月7日 習熟階梯の確認と自己評価
 7日の座学では塾生が2年間の取組みを振り返りました。個人差はありますが、広がった知識への素直な喜びから、日常の改修現場でできる事が増え自信を得たことまでは、共通の成果ととれます。他の専門職や住み手の方々の話から興味が広がり、京都に暮らし仕事ができることへの感謝と、これからも興味を深めたいという希望も多くありました。欠席した授業やできなかった課題を悔やみながらも、日々責任を持つ今後の仕事では、問題解決にあたって調べる根拠や判断する物指しをもてたという思いも共通です。今までの仕事を誠実に反省した塾生もありました。毎回、座学の場をさりげなく飾ってくださった家主の大岡さんへの感謝や、同期生への感謝もありました。荒木塾長からは、現場の仕事の枠を超え、日々の暮らしから怠けず遅れずコマーシャルせず、取り組み姿で信用を得るようにとの話がありました。

12月7日 座学
3月11日 奈良見学
 11日の実習では、古建築の見学に奈良へ出かけました。13の建物を一日かけて巡りました。先月の堂宮の座学の内容がどれほど現場で確認できたでしょうか。興味としてこれだけ楽しいことが、実務の対象になればどれだけ責任が重く、またやりがいがあるか。そんな実感をいつか塾生も持つ日が来ることを願います。折しも元興寺の禅室が展覧会で公開されており、1300年前からの建築と今日までの改修を見る事ができました。東大寺の法華堂は工事中でしたが、お水取りの二月堂にお参りできました。一年前の震災のため国宝の鐘楼では鐘がつかれ、塾生も参列する機会をもてました。京都駅へ戻った後は、居酒屋で打ち上げも開かれました。

3月21日 修了証授与
3月21日 修了証授与
修了おめでとうございます!
修了おめでとうございます!
 21日の最終日には、京町家友の会事務局の山田公子氏より話がありました。実際に町家を直した施主として、表面的な改修内容でおもねることがないようにと塾生に伝えられました。しつらえを楽しむことの大切さや、町家を空き家にしないこと、今年の楽町楽家の取り組みについてもお伺いしました。季節の飾りの細かい工夫や、着物の着こなしのことなど、塾生からの質問にも丁寧に応じていただきました。
 そして塾長より、それぞれの塾生に修了書が手渡されました。毎回のことですが、2年間で得た知識以上に学ぶ姿勢が大事なことが修了書のメッセージになります。第三期の棟梁塾生は実際の町家の改修に関わる職方が多く、これからの現場での再会が楽しみに待たれます。

(塾頭 末川協)