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京町家作事組



◎第五期京町家棟梁塾たより 1



見学実習

座学の様子
作事組理事長木下氏より入塾式挨拶及び町家の歴史に関する講義をもって、五期目の棟梁塾が始まった。本来、若手大工を棟梁にするための第一歩と位置付けられていたこの塾も五期目を迎え設計者が大半をしめました。設計者が伝統工法、町家について学ぼうという、少し前まではなかった流れに今来ている気がします。それだけ町場にも設計者が必要とされ、設計者も基準法上の建物(在来工法)とは違う木造を目のあたりにし学ぼうと思ったのではなかろうか。私事ですが、20年程前、とある建築のイベントで出会った方が数寄屋建築の設計をされている方でして(年配の方)君の職業は何かね、と尋ねられ。大工です、と答えますと。いい職業を選びましたね、と。氏曰く、机上で表現出来る事は限られている、しかも形にしてくれるのはあなた達職方ですよと。謙遜もおおいにあるでしょうが、現場で見える事は多く、それを職方に伝え形にする事が出来れば必ずやいいものが出来るはずだと。 棟梁塾は職方からじかに学べるいい機会です、普段聞けない事もあることでしょうが聞かずは一生の恥です、勇気を持ちましょう。大工である私が言うのも変ですが、ひょっとすると現代の棟梁とは設計者が担っているのではなかろうか。図面をひき、コスト調整をし、現場監理をする。墨を付け刻む事が出来ればって感じですよね。しかし実際工務店の社長や親方と呼ばれている方々も職人で無い方が増え続けているのが現状でして、情けない話ですが。 塾生並びに若き職方諸君の奮起に期待しております。
(作事組理事 辻勇治)