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京町家作事組



◎第五期京町家棟梁塾たより 6



座学9木舞掻き・縄掛け・男結び

実習5建具

座学10左官
 4月の棟梁塾は、6日(水)「木舞竹組の割付と組上げ・男結び・縄掛け・木賊張り」があり、塾長のお手本を見ながら、まずは竹垣が組めるようにと四つ目垣の男結びの練習をしました。次の縄掛けも、固く結びかつ簡単にほどける縄の結び方は、日常の生活のなかでも役立ちそうです。木舞掻きも、荒壁下地の竹組みに細縄をかけて実地に巻編掻、千鳥掻、もどし掻の三種を教わりました。とくさ貼りの見本もみせていただいて、竹が隙間なくきっちり交互にかみあっていて、その技術に感嘆しました。

 10日(日)実習5「建具製作見学」では、山科の前河建具店でベテラン職人の前河平八さんにお話しを伺いました。建具の歴史は古く、弥生時代の遺跡にさかのぼるが、引違いの戸は難しく平安時代の後期になって作られ、ようやく江戸時代に庶民の住宅に普及し、組子の技術も花開いた。残念ながら一軒の家に使われる建具の数は減ってきているという話から始まりました。材料は9割が杉、1割が軽くて丈夫なひのきだが、国産材より強度が劣り水に弱いノーブル、スプルース(アラスカヒノキ)といった外材も出まわる。古い建具は大切にしたい。道具の機械化は進むが、しらがきや巻金や角ノミは今も使い、引手を角ノミで彫ったりするというお話しでした。格天井も作られると聞いて器用な手をされているに違いないと思いました。

 20日(水)は左官の萩野さんに多種類の土や鏝をみせていただき、いい仕事の見分け方や心がけなど左官一筋で仕事に打ち込む姿勢をみせていただきました。左官は面積が広い分目立つが、木を生かし他を生かす仕事をすること、左官は仕込みに時間がかかり、塗った土の乾くのにも時間がかかることなど仕上がりをよくするために必要なことを繰り返し語られたのが印象深く心に残りました。

(作事組事務局 森珠恵)