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京町家作事組



◎第五期京町家棟梁塾たより 12



棟梁塾実習15「給排水設備」

棟梁塾座学18「家具、漆」
 10月5日電気設備の座学ではホリテック堀さんから電気はどの程度危険か、容量を超える電流が流れたら電線はどうなるかと問いかけられた。昔の四種電線の構造をみると、まず紙で絶縁され、次にゴム、さらに布で紫外線から守られ、撥水、防火のため蝋が塗られている。昔と今とでは使用電力がまったく異なり、回路設計は大きく変化している。ヒューズやアースはもともと町家にないが、町家の配線設計をする際には危険の割り算を考えた防火の工夫が必要である。
 
 10月9日改修中の町家にて尾崎ガス住宅設備の尾崎さんから、ガス管の種類、ガスメーター、給湯器の設置にかんする注意点などを学んだ。業務用は鉄管、また埋設用には鉄管かPE管と定められているが、住宅用に架空で土と接触しないところでは大阪ガスの方針でステンレスにゴムが被覆されたフレキ管が推奨され、施工時間が短く、可撓性があり漏れにくい。無意味に継手を作らず、分岐は点検口の近くが原則である。ガスと電気は離せと言われていたが、配線は接触しないようにしてガスコックと電気コンセントのコンビボックスを使うことが増えている。太陽光パネルとエネファームのドッキングなども起こっているそうだ。
 
 給排水設備は大伸工業の村瀬さんに教わった。自治体によって汚水検査の厳しさや要求に差があるそうだ。京都市はゆるい。村瀬邸では屋外に防臭桝を配置し、油の掃除をしやすくしており、真似をしたいところだ。
 
 19日座学「家具、漆」は、京都幾何工房の建田先生から家具と漆の作品制作にまつわる古今東西の様々な試みを写真をまじえて伺い、ものづくりの心得をお話しいただいた。木と漆の性質を学び、次回の漆塗り実習に臨みます。
(作事組事務局 森珠恵)