暮れの大掃除やらなんやらであっという間に日が過ぎてしもて。お正月はちょっとゆっくりと思てたけど、やっぱりあれこれしてたらもう立春。さむいのもあとちょっと。
お正月からこっち新聞を読んでて、ちょっとびっくりしたんが、不景気、不景気ゆうてるのに、お正月を海外で過ごす人が前の年より倍に増えたらしい。デパートで売ったはったあのたかいたかいお節料理が完売したとか。どうなっているんやろ。昔やったら考えられへんかったことやろなあ。お家ではなんにもしゃはらへんのやろか。仏さんや神さんのお守りは誰がしたはるんかなあ。若い人も家のお手伝いはしんとすまさはんのかなあ。
今までずっとしてきたことがどんどんなくなって、節分のお豆は気にならへんけど、チョコレートはせっせと買いにいくて。どないなってんのやろ。デパートのチョコレート売り場はいまから満員。バレンタインディーもいいけど、もっとほかにすることもあるやろと思うけど。
そやけどふしぎなんは、京都のことを書いた本、しきたりやら食べ物やらの本はよう売れてるみたいやし、文化というもんには一生懸命。お正月も何もあらへんようなことしといて、文化を大切にしようやなんて、どういうつもりやろなあ。むずかしい話やら、本は読むけど、いままで自分の家でしてきたことができひん、わからへんような人ばっかり増えてきたらどうしょう。自分ではできひんけど、人にやってもらう。なんにも努力しんとちょっと何かに書いてあったら飛びつく。そんなことで身につくことなんか何にもあらへん。着物もいまちょっとした流行やそうで、古着がたくさん売れてるらしいけど、これも大変。着付けも着方も、どこでなに着るかもおかまいなし。そんなじじむさいことしてほしない。いくら流行りでも、やっていいこととわるいことの区別ぐらいわからんとおとなとはいえまへんなあ。
2003.2
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