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京町家友の会

冬の例会 古儀茶道藪内流見学会

 いいお天気に恵まれた11月30日午後、集合場所とした公園の紅葉が思いがけずとても美しく、しばしの間、町中の紅葉を楽しみました。公園から西洞院通りにでると藪内家の門が見えてきます。交通量の多い西洞院通りに面した門をくぐると、別世界が広がりました。

 まずは広間にお通し頂き、若宗匠藪内紹由様よりお出迎えのご挨拶を頂きました。その後、執事石黒正勝様より藪内流の歴史、流派のご説明を丁寧にして頂きました(頂いた資料より:流祖藪内剣仲紹智は、武野紹から利休とともに茶を学ばれ、古田織部の妹を妻として迎えられています。寛永年間二代目紹智の時代、西本願寺良如上人の招きで師匠家として迎えられ、本願寺の寺領地であった現在地を拝領、現在まで続いており、当代のお家元は13代目です)。

 その後は2班に分かれ、お手前を拝見し、お茶を頂く班とお庭、露地を拝見する班にわかれました。

 広間から縁を通り露地へ、重要文化財の腰掛待合からお茶席「雲脚」まで、美しいお庭の景色を楽しみながら、飛び石や燈籠の来歴、植栽についてのご説明を受けました。「雲脚」から次の露地へとすすむと、重要文化財のお茶席「燕庵」が見えてきました。蹲のご説明、お席のご説明をいただきました(お相伴席つきの茅葺き屋根の「燕庵」は古田織部の屋敷のうちのお茶室で、藪内流流祖剣仲がゆずりうけられたものです。古田織部の茶室の代表的な形式をもったものとして有名です)。
 広間のお茶席「緝堂」では、流儀のお手前を拝見し、薄茶を頂きました。お菓子は「霜凍」というきんとんで、初冬に紅葉の名残を楽しむようなお菓子でした。薄茶はめいめい2服頂戴し、藪内流の流儀にのっとったおもてなしをして頂き、お薄を味わいました。
 普段なかなか触れることのできないお茶の世界、今回はゆったりとした時間の中で、少し緊張感をもってお薄を楽しく頂くことができたのではないでしょうか。

 財団法人藪内燕庵の皆様にもお忙しい中、大変お世話になりました。ありがとうございました。

〈小島冨佐江・友の会事務局〉