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京町家友の会

秦家見学会・市川邸改修現場見学会

秦家
 8月30日の昼下がり、祇園祭太子山のお町内にある秦さんのお宅をたずねました。秦家は太子山奇応丸というお薬を製造販売されていたお宅で、表には立派な看板があります。中にはいると大きな置き看板が店の間で迎えてくれます。柱にもお薬の看板がかけてあり、往年の京都のお薬屋さんの様子が感じられます。表屋造りと呼ばれる町家ですが、秦家はお薬屋さん、商うもので家の形が少しずつ違うということもよくわかります。玄関からお座敷に通していただいて座ると、夏座敷の涼しげなしつらえに日盛りを歩いてきた暑さのなごりもすーっとひくように感じました。お手入れの良く行き届いたお座敷からお庭をながめ、お茶とお菓子をいただきました。
 ひといきついたところで、秦めぐみさんのお話をうかがいました。めぐみさんのお話は、庭にくる鳥たちや、お花のこと、家とのつきあい方など、多岐にわたりますが、それがすべて町家とのかかわりであり、日々の暮らし方だということがよくわかります。町家で暮らすということが普通のことでありながら、その普通のことがとても貴重なことになり、その大切さをあらためて実感できた訪問でした。
 秦家のまわりもビルがたくさん立ち並び、お庭からの景色はずいぶんと変わってしまいましたが、市中の山居、町家の存在感がまた際立ったという一日でした。

市川家 (市川屋珈琲)


「市川邸現場見学会」の様子
9月19日シルバーウィークといわれる大型連休でにぎわう東山の界隈から少し入ったところにある町家の改修現場を見学しました。河井寛次郎記念館のすぐそばで、築150年を経た町家が珈琲と器のお店に改修されます。元は陶芸家さんのお宅、広い通り庭があり見上げるとたっぷりとした大きさの火袋(吹き抜け)が見えます。窯は清水焼団地に移動されたそうで、この広い通り庭の奥にはご自慢の焙煎器が据わるとききました。1階はすべてお店、奥にはお庭があり、表からはお客さんの様子を見ながら、お庭が見えるのだろうと思います。カウンターとテーブル席が出来るとききましたが、そのテーブル、大きなテーブルにするか、小さなテーブルをいくつか置くか、まだ検討中と市川さんご夫妻はお話になっていらっしゃいました。さてどちらになるのでしょうか。
 10月にはいってから、床のたたきをみんなでされたようです。その出来具合も興味津々です。多くの方々が訪れるとたたきの落ち着きもはやくなるかもしれませんね。たくさん行きましょう。
 角を曲がって数分で河井寛次郎記念館、界隈は清水焼の町です。町家といえば西陣や中京、下京の家を思い浮かべますが、窯や作業場のあった陶芸の家も個性的です。その家がどんなふうに珈琲のお店に生まれ変わるのか、11月11日の開店を楽しみにしています。