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京町家友の会

4会合同新年会


新年会の様子
 久しぶりに京町家再生研究会、京町家友の会、京町家作事組、京町家情報センターの4会合同新年会をおこないました。ゲストスピーカーにデービッド・アトキンソンさんを予定しておりましたが、おとうさまが亡くなられて英国へ戻られ、キャンセルとなり、お話が叶いませんでした。楽しみにしていたみなさんには本当に申し訳ありませんでした。アトキンソンさんが落ち着かれたら企画いたしますので、しばらくお待ちください。
 メインイベントがなくなったにもかかわらず、飛び入りも含めて予定通りお集まりいただき、にぎやかな会合となりました。本当にお越しくださり、ありがとうございます。
 急遽企画した近況報告会ですが、このところ、新しいプロジェクトが目白押し、話題提供には事欠きませんでした。

その1 「京町家の流通促進による保全・再生策に関する要望書」を2015年12月、京都市長に提出しました。京町家情報センターが中心となり、4会と京都府宅建業協会とともに作成したもので、町家を壊す前に京都市に通知することを義務づけるものです。詳しくは京町家通信104号、宗田先生の論考をご覧ください。

その2 ワールド・モニュメント財団の支援が決まり、四条町町家が改修の運びとなります。大船鉾の設計監理を担当したり、作事方を京町家作事組の若手大工、辻勇治さんが担当したりなど、これまでもいろいろな関わりがあったのですが、いよいよ祇園祭の会所として再生されます。詳しくは1ページの巻頭言をご覧ください。

その3 国際交流基金の支援により、インドネシアのバリで「アジアヘリテイジネットワーク・バリ会議」に参加、アジアの木造建築について議論しました。ここでは、大船鉾の設計にも関わった末川協さんが大活躍、英語でプレゼンしてきたことを報告いたしました。その様子は2ページの論考をご参照ください。ブータンで設計活動もされていた末川さん、アジアの水があったようで、とても元気に過ごしたそうです。3月には引き続き支援を受け、タイ、マレーシアでの交流に参加する予定です。再生研も国際的になってまいりました。

その4 長屋の改修プロジェクトが始まりました。現場見学会の様子を3ページで紹介していますので、ご覧ください。新年会当日は設計担当の一人である内田康博さんがいきさつと入居者募集の案内をいたしました。

その5 埼玉県川越市で2月6日、7日に開かれる第6回全国町家再生交流会の案内がおこなれました。はじめて京都でおこなわれたのは2005年6月、もう10年も前のことですが、このときは続けるつもりがなく「第一回」とはなっていませんでした。第二回を2007年12月に再び京都でおこない、以後、金沢市、橿原市今井町、大分県臼杵市と各地で開催されてきました。今回は初めて関東地区での開催です。京町家作事組理事長でもある木下龍一さんが2014年に川越で開かれた都市景観シンポジウムに参加するなど、交流を深め、今回も作事組をはじめ、多くのメンバーが参加しました。情報センターの城幸央さんがその様子を8ページに少し紹介していますが、こちらについては次号で詳しく紹介する予定です。

 報告会の後は、長年の会員、二条陣屋の小川平太郎氏の御発声で乾杯。あちらこちらで楽しい会話が繰り広げられました。
 このところ会合をよく開催するレストラン菊水ですが、こちらは大正5年、1916年創業され、今年100年を迎えました。近代に再建された町家を見守りながら老舗として生き続けているモダンなビルディング。京都で育った方々にとっては、幼い頃、お洒落な洋食をいただいたお店としても思い出深い場所のようです。今回は往年の面影が残っている3階を借りることができなかったのですが、会場が気になって参加された方もおられました。
 24年目を迎える再生研ですが、当初の会員はもちろん、若い人たちも少しずつ増えています。この日も棟梁塾で学び始めた設計の方、四条町の町家プロジェクトを記録してくれる方など、新しい方々をお迎えしました。退職後、京都に住み、町家に住み始めた方も入会されています。個性豊かな面々が楽しく、時には期待を込めて厳しい議論もおこないながら、和やかなひとときを過ごしました。
 締めは元作事組事務局長田中昇さんにお願いしました。無事さまざまなプロジェクトが動きますよう、本年もみなさまのご協力をよろしくお願い申し上げます。

実施概要
日時 平成28年1月29日(金)16時30分〜19時
場所 レストラン菊水

<丹羽 結花 (京町家友の会)>