町家スケッチBOOKpage.02
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京都(中京)
京町家は平入りで、大屋根は勾配は同じだが高さを隣と少しづつ変えてある。そうして連続させることで、隣家との境界壁付近での雨漏りを防いでいる。1階の庇は軒先の線を揃えることにより、水平に連続した景観を作っており、軒先の一文字瓦がさらに水平の直線を引き締める役割をしている。この庇の屋根の上に、厄除けと家の繁栄を願って小さな鍾き像が置かれることがある。庇の軒下には水引框が渡され、祇園祭の時には、ここに一斉に幔幕が張られ、祭り空間を演出する。道路面には平格子であったり出格子であったりするが、京格子と呼ばれるいろいろな種類の格子があり、昭和初期型といわれる腰壁のついたものでは、その上に金属パイプの格子がついている。出入口の横に、ばったり床几という、壁に取り付けた可動式の床几がついていたりする。半間幅以上の入り口は大戸といわれ、これには普通、潜り戸がついており、閉店後の人の出入りはこの潜り戸からしていた。古いタイプの京町家は、2階が背の低い厨子2階になっており、連子格子の竪子を塗り込めた虫籠窓が見られる。