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京町家友の会

第13回例会報告
日  時:平成14年7月21日(日)
     午後1時30分〜3時15分
場  所:「秦家」住宅(京都市下京区油小路仏光寺下る)
出席者数:38名

【例会次第】
 今回は、まず先に来られた20名の方を秦家の奥のお座敷へ案内し、あとの18名の方には表の店の間に座していただきました。それぞれに松村会長よりご挨拶があり、その後、店の間では、井川建具店の井川幸雄氏を講師として、夏の建具に関するお話を伺いました。参考写真を拝見しながら、建具の手入れや補修についてご説明いただき、松村会長からは、ご自宅の建具に関したエピソードや失敗談などもご披露していただきました。
 また、同時に奥の間では、秦めぐみ氏より、祇園祭の時季の秦家の暮らしぶりや、家にまつわる思い出、そして家を住み継いでいく思いなどをお伺いすることが出来ました。冷たいお抹茶と祇園祭のお菓子「調布」をいただきながら、開け放たれたお庭を眺め、吹く風と風鈴の音色、そして何より涼やかな簾、御簾、籐莚でしつらえられた夏の町家の感触を愉しませていただきました。お話のあとは、離れの間にもお邪魔して、お庭のもみじの美しさをお座敷から見るのとは違った角度で拝見いたしました。
 お話の区切りのついたところで、店の間と奥の間で、会員の皆さまに入れ替わっていただき、同様にそれぞれお話とご質問などもしていただいて、最後に松村会長からのご挨拶で散会といたしました。



 梅雨も明けて陽射しも厳しい午後、秦家に足を踏み入れた途端、今までの道程とはまったく別の世界に来てしまったと、おそらく会員の皆さま全員が感じられたことと思います。少し薄暗いお部屋に天窓と坪庭からの光が入り、ちょうど講師の井川氏にスポットライトを当てたよう・・・・。奥のお座敷では、お庭との境の硝子戸も開け放たれ、気持ちの良い風が吹き込んできます。もちろんクーラーは入れておられません。緑の多いお庭から蚊が入ってこないのかしら?と、つまらぬ質問をしましたら、「日が翳ってくると出てきますよ」とのお答え。日中は、あまりに陽射しがきつ過ぎて、蚊もどこかで一休みしている(?)らしい。街の喧騒からは程遠い、静かな京町家の一日でした。