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京町家再生研究会
大谷孝彦

ニュースレターの発進 
 当会も平成4年の発足来7年を経過し、その間京町家に関する研究、情報発信、そして再生の実践、イベントの企画開催など様々な活動成果をあげて参りました。町家再生活動を通じて京都の町づくりに対しても少なからず影響力を発揮できたと自負しております。

 最近、町家をめぐる話題が大分あわただしくなりました。天気概況ならぬ、町家概況を発信しなければ町家の動きについていけない状況です。当会としても密度のある情報をより速く発信するために2ヶ月に一度のペースでニュースレターを発行することにしました。個々の町家に係ること、町づくり、町並み景観に係ること、具体的な町家再生、修復、新築などに係ること、町家の職住の暮らしをテーマにした催し、あるいは防災、環境などの技術、法律の問題など、ここではその時々の町家を取り巻く話題を取り上げていきたいと思っています。様々な話題の中から町家再生について共有すべき大切なものが見えてくれば幸いです。

 京都都心部における町家については、最近トヨタ財団助成研究チーム及び、京都市景観まちづくりセンターの調査が行われ、その集計結果が京都市都市計画局から発表されております。都心4区で計31,768軒の町家が調査対象となりました。都心部にもまだまだ多くの町家があり、町家を大切に思う人達が住み続けていることが判り、そして町家に関心を寄せる約600名ものボランティアが調査に参加したという事実は京都にとってやはり町家が大きな存在意義を持っていることを示していると思われます。

 当研究会においても大きな節目として、この4月の「京町家作事組」の独立誕生があります。詳しくはそちらの資料におまかせするとして、簡単に言えば町家の補修・修復・再生に対しての小回りのきく実践対応を柱とした組織と言えます。町家住人の暮らしとの係りを大切にしながら伝統的木造建築のメンテナンスという地道な部分に係る実践であり、町家保存再生についての一番基本に係る活動であると言えます。合わせて町家を大切に思う人たちのネットワーク「京町家友の会」が発足しています。今後の活動に期待しています。

 行政の窓口である京都市景観まちづくりセンターとの連携もようやく緒についた感じがします。今後はより広い視野にたって質の高い研究活動、情報発信、活動ネットワークの構築を目指していきたいと思います。