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■住み手相談会の目的 京町家は1000年あまりのあゆみのなかで、さまざまな知恵と工夫が加えられ、改善・改良を重ねた結果、現在の住居建物には見られない優れた特性を獲得した町なかの住まいです。適正なスケール、軸組構成あるいは素材としての木の表情と洗練された意匠、庭と部屋による巧みな空間の構成などによって、外には美しい町並みをつくり、内には自然や人とのおつき合いを大切にした豊かな暮らしの場をつくっています。また、自然災害や火災から建物を守る技、手入れのし易さ、木材・土などの部材や建具・畳などの部品の再利用のシステムなど、サスティナブルで、環境への配慮も行き届いた、住み続けていくための合理性、総合性をもった建物です。 ところがその京町家がさまざまな理由で壊されています。現在の法律・制度、経済、慣習などが京町家を守っていけるようになっていないためであり、これを改めることが必要ですが、なかには町家についての正確な情報や専門家による適切なアドバイスがないために壊されているケースも少なくないと思います。 今回の「お訪ね相談」は住み手の相談を町家に係わる専門家が受ける場をつくり、わけもなく町家が壊されていくような状況を無くし、共に京町家を残し、守っていく手だてを考えようとするものです。
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