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京町家再生研究会
内田康博(作事組全国協議会 事務局(有限責任中間法人 京町家作事組 事務局内))

設立総会ポスター
設立総会ポスター
作事組全国協議会が発足
  去る2月21日(土)、22日(日)、京都にて「作事組全国協議会」の設立総会と関連イベントが開催されました。町家や民家の維持、保全、再生の実務に関わる全国各地の組織が集まり、伝統的建築技術の維持と継承、法律上の扱いの問題などに共に取り組み、各地域での成果を共有し、より実効性のあるものとすることを目的としています。20都府県から29団体、参加者総数104名、予想を上回る多くの方々にお集まりいただき、町家保全の現状と展望、連携の必要性と今後の予定について熱い議論が交わされました。



○設立総会
 京都市景観・まちづくりセンターB1Fワークショップルーム1および2を会場とし、会則、役員、今後の事業予定などが話し合われ、役員は以下のとおり承認されました。  
会  長: 梶山秀一郎(有限責任中間法人 京町家作事組 理事長)
  副会長: 志賀咲穂(姫路・町家再生塾 理事長)  
中島孝行(NPO法人八女町並みデザイン研究会 会長)
  会  計: 京極迪宏(京町家作事組 理事)
  監  事: 武藤清秀(有限責任事業組合 金沢町家)
     

○公開パネルディスカッション

設立総会 於:京都市景観・まちづくりセンター
  「町家保全・再生技術の現状と展望−地域活動と連携に向けて−」  設立総会の後、コーディネーターに東京から松井郁夫氏(ワークショップ「き」組)をお迎えし、パネリストとして福岡八女の中島氏、姫路の志賀氏、金沢の武藤氏、京都から木下龍一氏に列席いただき、一般市民にも開放されたパネルディスカッションが開催されました。各地域での町家再生の実践と成果、そこでの問題などが紹介され、今後、協議会に求められる役割、取り組むべき課題などが提案されました。伝統建築を認めない現在の法律の適正化への取り組み、職人さんに受け継がれる伝統技術の維持と共有、施主や行政もまきこむ伝統建築の維持保全のための仕組みづくりなどの問題提起があり、翌日の分科会での議論へと持ち越されました。夕方からは懇親会に場を替え、町家(民家)再生の実務の苦労や工夫、楽しさや喜びなどを語り合い、和やかなひとときとなりました。

○見学会、分科会とまとめ
 翌、22日午前中には京町家作事組が改修に関わった町家3件の見学会を行い、午後からは3つの分科会、「町家の法的適合化への道筋」、「町家の技の再生、習得、継承」、「町家の意匠と快適性」に分かれて専門的な話し合いがもたれました。  二日間にわたり、伝統的な町家(民家)再生の実務者が集い、多岐にわたる問題点について多くの議論を交わす貴重な機会となりました。今後の展望として、ホームページを立ち上げ、各団体の活動を紹介すること、お互いの活動を支援する仕組みをつくること、法への適合化は求めないことなどが提起されました。  正規の活動は4月の年度初めから開始することとし、次回は今年10月17日(土)、18日(日)に金沢で開催される「第3回全国町家再生交流会」にあわせて会員の代表者による会合を開くこととしました。  日本全国で町家や民家を維持保全し、再生する活動を相互に支援し、連携の輪をひろげるため、多くの皆様の御参加をお待ちしております。
2009.5.1