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京町家再生研究会 活動報告

2007年2月例会報告

「京町家ネット新年交流会」

日時:平成19年2月10日(土)
場所:渉成園 枳殻邸

 2月例会では恒例となった京町家ネット合同での新年交流会が行われました。場所は東本願寺の飛地境内である渉成園・枳殻邸で、講師には京都工芸繊維大学の矢ケ崎善太郎先生をお招きし、渉成園の成り立ちや京都の都市計画上での意味についてお話を伺いました。
  渉成園は石川丈山の作と伝えられ、大名庭園に加えて中国趣味、文人好みの特徴が見られます。回遊式の庭園の中に十の名勝が用意され、開放感の広がる中に茶点、飯点、酒点の三つの遊び場所が用意されています。
  壮大なこの庭造りは中世以降の京都のまちづくりとも深く関わり、正面通上の西本願寺と豊国廟をむすぶ軸線に配置されています。御土居や高瀬川を既存の地形として読み込みながら大きな池や島に作り変え、本来の洛中の範囲を広げながら高瀬川を付け替え、大規模な寺内町を作り出すプロジェクトであったことが判ります。
  このような水のコントロールを伴う作庭と都市計画の結びつきは、明治期まで京都のまちづくりの一つの潮流であり、近代の鴨東の開発にも引き継がれています。琵琶湖疏水は単純な産業施設ではなく、数々の庭園の池をめぐり、さらにその高度差を活かして東本願寺の防火用水として役立てるまでのインフラであったことをお話頂きました。今日的な都市計画が失っている伝統を聞くとともに、渉成園の周囲にも高層のマンションが増え、今では豊国廟もかろうじて望める程度、一方マンションを隠すための庭師さんのご苦労に大きなものがあることをお伺いしました。
  お話の後にはお弁当を食べながらの懇親会と庭めぐりの時間があり、京町家ネット全体での交流が深まりました。
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