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京町家再生研究会　活動報告

2007年4月例会報告

「祇園祭山鉾調査報告会」

日時：平成19年4月14日（土）
場所：本部　小島邸

　4月例会では、昨年度に行われた祇園祭の山鉾の構造調査についての報告会が開かれました。鉾の組立のプロセスからの構造の把握、ご町内での収納場所や組立担当者による構造の区分、木造軸組と縄がらみで成り立つ構造の仕組みについて調査を振り返りながら議論が行われました。

シンプルに頑なに守られる櫓の原形、地上30ｍ近い真木を支えるカムロ柱と火遂で作る四角錐の動き、4つの車輪を別々に動かせる車両の構造、軸組の拘束の方向を使い分け、粘り強く柔らかい一体性を持たせる縄がらみの仕組など、艶やかな懸装品の陰に、鉾の構造そのものに研ぎ澄まされ一つに完成された技と知恵が込められています。短期間での組立と解体を前提としながら、鉾の中心にある真木を一気に建て起し、さらに数十人の囃し方を載せながら、それを巡行するために鉾の構造は出来上がっていることがわかります。

　いかにそれが困難であっても、巨大な鉾の構造が実現された長い歴史があり、そこには脈々とした町衆の祈りを感じることが出来ます。さらに外観の共通性に対して鉾ごとに異なる仕口の工夫や、舞台の床の支持方法など、各々の鉾が互いに技を競い合って作られた歴史が垣間見られ、そこにはご町内ごとの技術者の心意気を感じることが出来ました。
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