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京町家再生研究会 活動報告

2007年9月例会報告

「富田林 寺内町見学」
日時:平成19年9月8日(土)
場所:富田林じない町一帯

 近鉄富田林駅を降りると、そこはどこにでもあるような地方都市の駅前風景でした。すぐ前にあるナントカ食堂に入ると、内部はまるで昭和30年代そのまま。壁には聞いたこともない演歌歌手の写真とサインの入った色紙がナナメに押しピンで止めてあり、応対に出てくる昔の娘さん(今はおばあさん)も実にいい感じ!寅さんの映画の1シーンに紛れ込んだ思いでした。

富田林寺内町  そこから、地元の方々に導かれて商店街の門をくぐると、ちょうど「じない市」開催の真っ最中で、古い建物に写真が展示されていたり、ちょっとした空き地では、焼きソバのいい香りが・・・。その誘惑にも惑わされずに先へ進むと時代は、江戸に入ってきます。屋根は本瓦葺、壁は白漆喰の塗り込めで重厚な建物が続きます。きれいに修復された内部も拝見しました。土間の土部分は全く江戸時代のもの。見上げればごつい梁が縦横に走っていて実に見事!大変な財力を持って作られたことがよく実感されます。さすがに宗教の力というか、信仰の力というのはすごいものです。途中で案内してくれたメンバーの一人が、借りて住もうとしている建物を「見てもらってアドバイスがほしい」とのことで立ち寄り、ぐるっと拝見しました。見学のわれわれは、思いつくままにああでもない、こうでもない、とにぎやかなこと。とてもアドバイスにはなってないよなあ、と思いつつ交流会場の「じないまち交流館」へ。

 ここでは、日本都市計画家協会の吉野氏の司会で、まず、京町家友の会の松村会長より、京町家ネットの紹介があり、続いて富田林のまちづくりメンバー3名から寺内町の実態と問題点の話、イベントとしてのじない市の経緯と効果が話されました。さらに会場とのやりとりがあり、最後に宗田先生がコメンテーターとして、じない町の文化の継承というのは、単に建物を修復保存するところにあるのではなく、ここに住まいしてなりわいを持っている人とまちの関わりの中にこそ連綿と続いていくものだろう、という方向性を示されて交流会は終了しました。帰りの近鉄の駅前で、じない町の人々の取り組みを思いながら、駅前のおじいさんとおばあさんでかろうじてやっているあの食堂も、機嫌よく続けて行ってほしいものだ、とちょいとしみじみ思ったものです。



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