１月例会では立命館大学のリム・ボン先生に「京町家のこれから」というテーマでお話を頂きました。具体的には、昨年の11月に景観・まちづくりセンターで行われた公開フォーラム、「躍動するコミュニティ―米国で開花した4つの実践例に学ぶ―」のご報告を頂き、ニューヨークでの市民団体の取り組みをお伺いし、更にはこの秋に計画されているKyoto-Japan Society Joint Projectの企画をお伺いしました。海外での先駆的な取り組みでの町並みや地域社会の複合的な再生事例や桁の違う資金調達のあり方を教わり、京町家の存在とその保全のための取り組みを海外に発信する企画では京町家再生研究会との協働も求められ、町家保全のための資金調達への直接的、間接的な期待も語っていただきました。
　参加した再生研のメンバーからは、現状の町家ファンドの運用根拠や、町家の改修に資金的な援助がオーナーにもたらす現実の現場で起こりつつある問題、膨大な町家のストックのそれぞれの規模や質に対するファンド運用の課題、援助、融資、買取などのファンドの使い分けの必要が挙がり、参加された景観・まちづくりセンターの職員とも議論が行われました。歴史都市と大都市の両方の宿命を持つ京都で町家を守っていくために、地元市民や行政内での課題の解決と平行に、グローバルなところで良い理解者を求める試みについて熱い意見交換が行われました。
　例会の後は学芸出版社の4階でワインを飲みながら楽しい新年会が行われました。