3月例会では恒例となった京町家ネットの合同新年会が開かれ、大徳寺の本坊にお参りすることができました。はじめに方丈で参加者全員が座禅をくみ瞑想を行いました。大勢の参加者が一箇所に集まりながらも10分間の時間が、静かに無限に感じられ、自分の心に向かいながら世界や時間の広がりとつながる貴重な経験を頂きました。続いて雲林院の藤田和尚様から法話がありました。日々の暮らし、衣食住すべての行為の中で、自分以外の人の手によるプロセスの尊さや、あらゆるものの素材にまで遡る命の有難さに気づくことの大切さをお話頂きました。
　ご本尊をお参りしたあとで国宝の唐門を訪ねました。日暮門と呼ばれ、聚楽第の一部、桃山建築の遺構とされる貴重な建築を間近に拝見させて頂くことが出来ました。続いて3班に別れ、金毛閣と呼ばれる山門にお参りしました。都を守るために置かれたであろう数々の厳しい護法神格に参拝出来、長谷川等伯による龍の天井画も拝見出来ました。山門から京都盆地を見通す特権的な眺望は、五山とは別に、厳しい武家政権と運命を重ね合わせた大徳寺の歴史を彷彿させます。利休居士の像が今も祭られ、お茶をたしなむ参加者にとってはこれも貴重なお参りの機会となりました。