京都市文化財保護課の村上忠喜氏を講師にお迎えして、山鉾の本質についてお話を伺いました。村上氏にはここ数年、山鉾の構造調査で大変お世話になっています。今回は山鉾の構造を踏まえた上で、絵図や文書などさまざまな資料を読み解くことにより、近世以降、いかにして神性を帯びるようになったのか、わかりやすくお話いただきました。なじみのある宵山の光景や山鉾の御利益などがどのように生まれてきたのか、などなど、興味深いトピックスが続きました。会場の矢尾定さんは大船鉾の町内にあり、界隈では山や鉾の組立の最中。雰囲気もあり、議論も活発で、大変盛り上がった例会となりました。なによりも通常は表から見ることのできない構造に対して、気づかされる部分が多いことに驚かされました。現代の町家再生に通じるものがあるようです。お話の後は、船鉾収蔵庫をはじめ、幾つかの鉾とその町を村上氏とご一緒に訪ね歩くことも出来、有意義なひとときでした。