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京町家再生研究会 活動報告

5月例会 報告


日時 平成24年5月12日 15時から17時
場所 釜座町家

京町家の保全・再生
寺田敏紀氏(前京都市都市計画局長)

 総会に引き続き、3月に京都市都市計画局長を退職された寺田敏紀氏よりお話を伺いました。京都市がどのような思いで町家に関する施策や事業をおこなってきたのか、公的な立場を離れた今だからこそできるお話をたっぷりと伺うことができました。昭和50年代から、京都市が主に町家に関してどのような取組をしてきたのか、その歴史を振り返りながら、折々に寺田氏が感じたことをご紹介いただきました。当初はマンションのコントロールが念頭にあったようですが、この数十年の流れの中で、次第に京町家の価値観を生活の視点からとらえる方向性がでてきたことがよくわかります。町家を単体としてとらえるのではなく、街区の相隣関係の中でとらえることの重要性、古い木造住宅ではなく、軸組みの基本さえおさえていれば手を入れることができるということ、さらに未来住宅としてすばらしい原型を持っているということなど、町家の魅力や特質を生かした施策が次々と検討されてきたわけです。研究会の取組など、さまざまなことが思い出され、充実した時間を持つことができました。
 しかし、施策や事業の一覧を見ていると、十分に機能していないと思われるものも多く、京都市のご苦労も十分に窺い知ることができます。町家のタイプによって異なる手立てが必要であること、経済的な事情などにより、本来必要十分な手当てが施されていないことなどの問題点もあります。
 今後の課題としてあげられた項目の中で、単なる不動産としてみるのではなく、居住空間としての価値を捉えなおすこと、それを住民あるいは市民に知らしめることの重要性を感じました。一方、資金の問題や後継者の問題も深刻です。寺田氏は6月から公益財団法人京都市景観・まちづくりセンターの専務理事に就任される予定です。今後、研究会でも知恵を出し合いながら、次の世代へ引き継ぐ方策を共に考えていきたいと思っています。
 なお、終了後には、初期の改修町家でもある、あるとれたんと2階で懇親会をもち、引き続き活発な議論がなされました。

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