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京町家再生研究会 活動報告

6月例会 報告


日時 平成24年6月9日(土) 13時から16時
場所 釜座町家(斧屋)

夏の京町家で、いにしえの知恵を科学の目で見る
~電力に頼らない“涼”のとり方と、その効果~
松原斎樹氏(京都府立大学教授)

 NPO法人環境市民が主催している「野の塾 里山と京町家で、生き物の魅力とエネルギーの未来を感じよう」プログラムの一環として、今回は共催で例会をおこないました。環境市民の会員だけではなく、一般の参加もあり、再生研も含めて35名もの参加者が、町家の2階に集まりました。
 本題の前に、環境市民事務局長堀孝弘氏より、環境市民の活動について紹介がありました。引き続き、大谷理事長より再生研の活動概要及び釜座町町家の改築工事などについて、DVDをお見せしながら、簡単な説明をおこないました。
 松原先生は建築環境工学がご専門で、温度や湿度を人間がどのように感じるのか、心理的な面も含めて研究しておられます。今回は、エネルギー消費の現状や町家の環境的な特徴を踏まえて、視覚や聴覚が涼感にどのような影響を与えるのか、さまざまな実験データを分析して、具体的な事例を紹介してくださいました。
 なかでも色や音が暑さや寒さを緩和するというデータは興味深いものでした。また、小鳥のさえずりや風など、ふと注意をひかれるようなものが、疲労回復につながり、不快感を減らすそうです。町家の暮らしは自然とのふれあいなど、視覚や聴覚に刺激を与えるものに満ちており、省エネルギーや節電に有効な環境なのではないか、ということでした。
 夕方の打ち水など、経験的に感じているものもありますが、積極的な評価、科学的な裏打ちがあると、説得力も増します。昔からの知恵をわかりやすく説明し、現代社会のなかで普及するためには、大変参考になるお話でした。
 休憩時間などには、釜座町町家の内部も見学していただきました。当日は小雨がふりしきり、隣家の工事など、あいにくの環境ではありましたが、そよぐ風や1階と2階の違いなどを体感いただけたのではないでしょうか。質疑応答も活発で、初めて町家に入った方もおられたようです。これからもさまざまな活動団体とのタイアップしたプログラムや入門編の催しを通じて、多くの方々に町家の生活を体験していただける機会を作りたいと思っています。

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