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京町家再生研究会
京町家再生研究会 活動報告

5月例会 報告

望月さんをしのぶ会

日時 平成25年5月11日(土)15時から17時
場所 本部(小島家)

 平成25年2月22日、元会長望月秀祐氏が亡くなられました。今回は本部小島家で再生研設立当初の経緯やエピソードなどを語りながら、しのぶ会をおこないました。
 最初に、木下龍一氏から、設立のいきさつについて、ご紹介がありました。再生研の最初のリーフレットに掲載されている檄文や百足屋町に住んでいた思い出を踏まえて書かれた「百足屋町の今昔」などが披露されました。
 小島富佐江理事長は、個人的なつながりがあり、家のことを心配していた望月さんからのお誘いで、小島家が本部になったいきさつが披露されました。最初に望月さんが手をさしのべてくださったおかげで、今の小島家、そして再生研との関わりができたということです。
 黒竹節人氏からは「むかでや」改築の経緯が詳しく紹介されました。当時、町家をそのまま使うことがオーナーにはまったく理解できなかったとのことです。住みながら商うことの重要性、生きた伝承の大切さを語ってくださいました。
 望月さんが京都市に勤めておられたころの思い出、仕事の話、再生研で水幕防火システムを開発したいきさつなど、会員からさまざまなエピソードや学んだことが披露されました。
 この20年あまり、望月さんが目指していたものがいろいろな形で実を結んでいます。望月さんが掲げておられた未来像こそ、再生研に残してくださった一つ目の礎です。
 二つ目として、組織の編成があげられます。実践を重視し、再生事例を積み重ねてきましたが、研究会という名称でおこなってきたことに大きな意味があります。
 三つ目として、設立10年目に「何事も10年をめどとしてやってきたので、後進へ譲る」といさぎよく会長を退かれたことがあげられます。未来を見据えて、最初の10年間に、次の世代がやるべきこととして、いくつかの布石を打っておられたのです。
 町家をめぐる社会的状況は大きく変化しています。そのときどきにできる最善のことに力を尽くし、未来へ残す町家を一つでも再生していくことがなによりも重要であることを望月さんは教えてくださいました。例会では、もう一度原点に立ち返り、次の世代へとつなげていく気持ちを確認する機会となりました。最後は黒竹氏のご挨拶で献杯をおこないました。望月さんのご冥福をお祈りします。

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