10月例会報告 「町家カフェを考える」 見学会と意見交換会 日時 10月26日(日)14時から17時 場所 ホブソンズカフェ 四条富小路店 2階 講師 藤井芽衣氏(京都市役所) この夏再生した「ホブソンズカフェ四条富小路店」にて最近のカフェ事情を伺うとともに、町家再生店舗の改修について議論いたしました。 最初にオーナーの家永氏から改修に至ったいきさつをお話ししていただきました。ひょんなことから町家が手に入ったという家永さん、「直すのであれば本格的に直したい」ということで、作事組にゆだねられたそうです。アイスクリーム屋を開業したのはあとから検討したことで、「冷蔵庫を置くくらいだから、町家にさほど手を入れないで済むのではないか」というお考えだったとのこと。1階店舗も今回例会を開催した2階も畳の座敷がつながる町家らしい空間です。「きゅうくつな形で体験してもらうのも町家の良さを感じられてよいのではないか」という言葉が印象に残りました。 続いて設計に関わった内田康博氏、工事を担当した大下尚平氏から、改修に関わるエピソードなどを伺いました。何度も改修が繰り返されていた町家ですが、きちんと構造から見直したことによって、すっきりした町家に生まれ変わりました。以前のモダンなカフェの様子をご存じの方は驚かれるかもしれません。ちゃんと直せば町家本来の姿を取り戻せることが実感できます。 次に卒業論文で最近のカフェのあり方について調査された藤井氏からお話を伺いました。「サードプレイス」としてのカフェとは、インフォーマルな集まりが可能な場所を意味しています。京都におけるカフェはどのように機能しているのか、実地調査から浮かび上がってくるカフェ事情を紹介していただきました。若い人びとには「部屋カフェ」と呼ばれる一人で過ごす居心地のよい場所が好まれているようです。自分の内面と出会う場所としてカフェが機能しているとのことでした。 最後に作事組理事長の木下龍一氏から、初期改修事例の一つである「あるとれたんと」を通じて、再生店舗の技法を伺いました。「町家のメモリーを残したい」という趣旨に沿った、当時としては新しい試みをご紹介いただきました。 ホブソンズのアイスクリームと飲み物をいただきながら、参加者からは若かりし頃のカフェの思い出、老舗カフェのエピソードを含めて、さまざまな議論が繰り広げられました。京都のカフェにはもともとコミュニティの機能が満ちていたのではないでしょうか。今回は気持ちよい座敷のおかげか、みなさんと楽しく語り合うことができ、この場所もコミュニケーションが広がる大切な場所になりそうです。 ホブソンズの特徴はブレンドアイスクリーム。季節限定の味もあり(この日は黒豆のアイスが大人気でした)、クレープやカフェなどのメニューもあります。すかっとした町家でアイスクリームをいただきながら、語り合ってみてください。 >改修に関する記事はこちら >ホブソンズカフェ 四条富小路店 中京区四条富小路上る 10時から20時まで 水曜日お休み |
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