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京町家再生研究会
京町家再生研究会 活動報告

5月例会報告


地域遺産としての祇園祭山鉾町  煖エ康夫氏(花園大学教授・京都大学名誉教授)
日時: 平成27年5月9日(土)15時から17時
場所: 明倫自治会館遊戯室

 京町家再生研究会の顧問をお願いしている煖エ先生にお話をいただきました。新町通りの歴史や山鉾町の価値については4年前にもお話しいただいていましたが、今回は文化的景観という視点からさまざまな価値についてお話いただきました。

 文化的景観とは平成16年に改正された文化財保護法、同年制定された景観法に基づくもので、現在、特に重要なものとして47件が重要文化的景観に選定されています。都市景観は少なく、京都では岡崎地域が選定の申し出をおこなっているところです。文化的景観の選定にはさまざまな価値をあげていかなければなりませんが、山鉾町にはそのような価値や魅力がたくさん積み重なっているということです。

 山鉾町は平安京の上にそのまま現代都市が乗っているようなところです。町「ちょう」の街区形態を維持しつつ、町「まち」として商業をはじめとするにぎわいがある中心市街地として持続的に発展してきました。いろいろな時代の痕跡を残している都市空間の上に祇園祭を維持するコミュニティがあり、象徴的なものとして町家や山鉾があるというわけです。このような重層性こそ、地域の魅力といえるでしょう。山鉾行事や個別の美術工芸品など、個別のものはそれぞれの制度で守られていますが、今後は地域の文化遺産として、地域を基盤にして一体的、総合的にとらえる必要がある、と強調されました。

 当日、会員はもちろん、明倫学区のみなさんや近隣の山鉾町のみなさんなど、約40名の参加がありました。今後とも明倫学区とはまちづくりにおいて協働していく予定です。また、再生研としても地域遺産という考え方のもと、町家の価値も多くの方々と共有できるようにさまざまな活動を展開していく必要性を痛感しました。今年度事業展開のよりどころにもなる貴重な機会となりました。

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