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はじめに京町家再生研究会京町家作事組京町家友の会京町家情報センター

2004年度11月〜2月 景観・まちづくり大学・後期講座案内
京都市景観・まちづくりセンターにおいて、京町家再生研究会の企画で開催された
「京町家再生セミナー」の記録です。

第2回 11/28 (日) 14:00〜16:00
「昔からのお店と新しいお店
─自己所有店舗(食品販売)と借家店舗(飲食店)─」

講師:中村貴彦氏(富起屋) 渡辺哲也氏(清水家)
コーディネーター:大谷孝彦氏(京町家再生研究会理事長)

11月28日に第二回の「京町家再生セミナー」がありました。テーマは「昔からのお店と新しいお店」、二条柳馬場のお昆布の佃煮の「富起屋」御当主、中村 貴彦氏と衣棚御池上ル居酒屋「清水家」の御当主、渡辺 哲也氏のお二人を講師にお招きしました。大谷孝彦京町家再生研代表幹事のコーディネートで、町家でお店をすることの楽しみや御苦労、将来の展望についてそれぞれに語っていただきました。

渡辺さんからははじめて自分の町家で店を立ち上げるときの腹のくくり方と心意気、町家の改修に当たって現場で知った伝統工法やしつらえのこと、実際に町家でお店の切り盛りをして考えること、年配のお客さんたちの懐かしさと新しさの混じった対応を語っていただき、毎日の一つずつの発見や驚きが町家を一層大切にする思いにつながるとお話がありました。まだまだお仕事を広げたい夢をお持ちです。

中村さんはお母さんの代から引き継いだお商売、結果的には昔のままに続けてきたことがお店にも地域にも良かったということ、当然のように、実際にその町家に住んでいた経験や改修に追われた中でのご苦労の様子、まだまだ奥の深い町家を維持し、活かしていく課題、そのためのネットワークつくりに取り組まれておられるご様子をお伺いしました。「町家に上手に住むことも、お客を集めることも工夫が必要で、それをなくせば町家を手放す時」とおっしゃる中、静かで強い決意をお伺いした気がしました。

またお二人それぞれの接客に対する一番大切な気持ち、微妙な品物の味への徹底的なこだわりを聞く中で、ビジネスにも、町家の改修にも本物とそうでないものがあると、東京からのセミナー参加者、臨席した清水家の設計者の木下氏、梶山作事組理事長も含めて議論が広がりました。