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京町家情報センター
京町家に移り住んで──戸田邸


 今回は、祇園祭では近くを山鉾巡行が通るところに位置し、京町家作事組により改修された京町家に、移り住まれて8ヶ月が経たれた戸田邸にお話を伺いました。戸田さんは裏千家今日庵にて茶道をされておられ、今回の町家の座敷には炉も切られました。
聞き手:株式会社狩野コーポレーション
賃貸担当 狩野一行

——京町家に住むことを選ばれたのは…
 3年間、北山でのマンション暮らしは快適でしたが、同時に街中での京都らしい生活も憧れていました。また、茶道を仕事にしておりますので、家でもお茶が出来たらと願っていました。

——実際に京町家に住んでみて、いかがでしょうか?
 私自身は茶道修業のため、10年以上、重要文化財で住み込みをしていましたので、驚きはありませんでした。ただ3年間、マンション暮らしをしていたので、夏は暑く、冬は寒い、当たり前のことを、体は忘れかけていた様に思います。

——今年初めて祇園祭の期間を、京町家とともに過ごされて、いかがですか?
 実は20年近く京都に住んでいますが、山鉾巡行を見たのは、今年が初めてでした。町衆の熱気、歴史や伝統、日本中から見学に来られる行事を我が家に居ながらにして体感することが出来た、素晴らしい一日になりました。

——ご近所さんとのお付き合いはいかがですか?
 特に新鮮に感じたのは、回覧板くらいでしょうか。マンションの時にはありませんでしたので。

——京都というまちについて、どのような思いを持たれていますか?
 町家に越したときに、京都の方から、「南北の家の方が涼しいよ」と言われました。同じ町家で、東西と南北の違いを考えたことも無かったので、驚きました。実際に生活して、夏は覚悟していたよりは快適だと思います。その分、冬の寒さは厳しいものがあります。方位方角と共にある京都の歴史や生活というものを、改めて実感しています。
2012.9.1